【魔主役】私の中の一番の人気者。【wrwrd!】 (ページ1)

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ここはバビルス、私が入学してしばらく経った。

『この学校にも慣れてきたなあ…』

と、騒がしい食堂でぽつん、と呟く。

入学してからしばらく経っているのにも関わらず、私、

ソトーチホ・Aには問題があった。

そう、話す人がいない。

噂の特待生…イルマの言葉を借りるとしたら…

そうだ、トモダチがいない。

…どうしたもんやら…

｢我々バトラでーーす！！！お悩み受け付けてます！！！｣

と、騒がしい声が耳に入った。

我々バトラ…？聞いたことはあるけどしらないな。

赤いニット帽の人や豚さん、メガネの人…沢山人がいるな。

あの中で分かるのは…女たらしってもう噂されてる1年の

レイラー・ウツさんだっけか…

赤いニット帽の人は明るくて陽キャそう。

とその人たちを見つめ、いろいろ考えながら昼ごはんを

胃の中へと流し込んでいく。

『よし… っ、いっちょお悩み、相談しに行きますかあ。』

悪魔は大体知らないものには心惹かれるもの。

気づけば食べ終わっていたトレイを片付け、我々バトラの

お悩み相談スペースに向かっていた。

無慈悲なお悩み相談…？まあそこはいいだろう。

白い長細いテーブルがあり、上にはデカデカと我々バトラ、

と書かれた布の吊るしものがある。

『あのー、すいません…』

と、遠慮がちに近くにいたレイラーさんに話しかける。

レイラーさんは微笑みながらこちらを向いて

｢…?なんですか可愛ええお嬢さん、悩み相談ですか？お嬢さんの為やったらなんでも聞きますよ。｣

う゛わ、女たらしだ。

率直にそう思い、彼に聞くのは絶対だめだな、と思った。

『お悩みを相談したいんですけど…』

｢いいよいいよ、言ってみ？｣

と、長細いテーブルの前にあった椅子に座らされる。

レイラーさんと話していると他の人たちもぞろぞろ、

と寄ってきて、私の話を聞いてくれるようだ。

『私、入学してからしばらく経つのに、仲良く話せる人がいないんです。
人見知りって訳でもないのに、誰にも話しかける勇気とかが無くて。』

今まで誰にも話したことがない悩みなのに、我々バトラさん

達の聞く態度と言うか、そういうのに感化されてすらすらと

話してしまう。

｢おっしゃ！！トモダチ関係なら人気者の俺の出番やな！｣

息が一瞬、一瞬だけ止まってしまった。

その橙色の瞳に___

心、奪われてしまったかもしれない。