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「Aくんが元の世界に戻る方法について調べに来たんですよ。」
クロウリーの登場により、現場の空気は最悪だ。絶妙に気まずい。
そんな中、クロウリーは図書館に来た理由を饒舌に語っていた。
「ちゃんと忘れていませんとも。私、優しいので。」
「本当に優しい人は言わないんですよ。自分で。」
「いやぁ、やはり調べ物といえば図書室ですからねぇ。」
「あれ？もしかして、私の声は届いていない？」
「別に新しく入った小説の新作が気になって誰よりも早く借りに来たわけではありませんから。」
「うん。殺意湧くなぁ。」
少女とクロウリーのお決まりの様なやり取りが繰り広げられる。
その光景をトレイは唖然と見ていた。
クロウリーはいい加減なようで、その仮面の下の目がどこか優しい気がしたのだ。
…少女には伝わっていないようだが。
されここで殺意がみなぎった少女の拳が握られたところで、
「オッホン。」
クロウリーが流れをぶった切るように咳ばらいを１つ。
「ところで、みなさんお揃いで険しい顔をしてどうしたんです？」
と、問いかけた。
クロちゃんの空気の読めなさ…いや、ある意味誰よりも空気を読めているのか？
「それは…」
デュースが説明をするために、口を開いた。
＿＿カツカツカツ
女王のヒールの音が廊下に響く。
マントを翻して、堂々と歩くその足は速足だ。
「…。」
『ルールとは本来、生活を豊かにするためにあるべきものだ。』
先ほどの少女の声が脳裏をちらつく。
その度に女王は顔を歪めた。
あの部外者が憎い。
あの声が五月蠅い。
あの目が邪魔だ。
「ボクは…誰よりも正しい。」
女王は自分に言い聞かせるように呟いた。
ルールを守っている。
お母様の言うこともきちんと聞いている。
＿だから、誰よりも正しく強い。
どんな理不尽なルールにも耐えてきた。
だから、他の人も耐えられるはずなのだ。
女王は自分の家以外の世界をまだ知らなかった。
だから女王は疑わない。
ルールが絶対であると。
内容は関係なく、ルールこそが大切だと。
そして＿
「ルールが全てだ。守るボクは正しい。…そうだよね。お母様。」
女王は窓の外を眺めた。
そこには、必死にバラを赤く染めるトランプ兵。
ピンクの服を着てフラミンゴの世話をするトランプ兵。
「あぁ、この光景だ。」
＿やはりルールは守るべきだ。
女王は再度足を進めた。
＿＿カツ カツ カツ
その足音はゆったりとしていた。
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芋けんぴ(プロフ) - Ｒ−アル−さん» しみわたりました！！ (2021年7月25日 1時) (
レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ−アル−(プロフ) - 芋けんぴさん» 五臓六腑に？！？！ (2021年7月19日 20時) (レス) id: 4d2464a69b (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 無題さん» ご指摘ありがとうございます。ただちに訂正して参ります！ (2021年7月14日 7時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
無題 - 突然失礼します。20-1の決闘が血統になってます。 (2021年7月14日 6時) (レス) id: 6b1b4e2ad9 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - どんさん» そうですか…。すみません、謝らせてしまって。 昔に一度試してみたのですが、出来なくて…。別の方法を探してみます。(´;ω;｀)一応、イメージイラストはちゃんとあるんですよ…。 (2021年7月12日 18時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芋けんぴ | 作成日時：2021年1月6日 22時
