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「ちょっと待って！エース！」
エースの腕にしがみつき、少女が止める。
「はぁ！？A、なんでだよ！」
「な ん で も！良いから、今は逃げよう！」
エースは急に止めてくる少女に不満そうな表情を向けるが、少女はまっすぐエースを見つめる。
「どう考えても、魔法の使えない私たちが勝てる２人じゃない！勝てる相手と勝てない相手を見極めろ！馬鹿エース！出直すよ！」
凄い剣幕でそう言われてしまってはエースも言い返せない。
…鉱山で少女に起こられた時のセリフもフラッシュバックする。
「もう！わかったよ！クソやろー！」
「ほら、デュースも、逃げるよ！」
エースはやけくそになりながら走り出す。少女もデュースの手を掴むと走り出した。
まさか逃げ出すとは思っていなかったトレイとケイトは拍子抜けだ。そんな２人の間をするりと抜けると、３人と１匹は薔薇の迷路を走り抜けた。
＿後で、聞きたいことがあります。
すれ違いざまに、少女に耳打ちされた言葉がトレイの頭に響く。ケイトと一緒に追いかけながら、トレイは苦笑いを浮かべた。
＜ハーツラビュル寮＞
「それじゃあ、エースちゃんたち、まったね〜。」
「謝れば寮に戻れるように、寮長はなだめておくから。」
ケイトとトレイは３人と１匹を見送るように門に立つ。
「トレイ先輩、私たちは謝りません。謝っちゃいけない気がするんです。
…この事件が解決するまで、エースとデュースはオンボロ寮で預かります。」
少女はトレイとケイトの目をまっすぐ見てそう告げた。
このままリドルを止めなければ、彼は自分の過ちに気が付くことすら出来ずに孤独になっていくだろう。それがわかってこの少女が見捨てるはずが無いのだ。
そんな少女の目と言葉がトレイの胸を締め付けた。
＜ハーツラビュル寮-パーティー会場＞
「まったく。さぁ、気を取り直してパーティーの続きだよ。今日はクロッケー大会もしなくちゃいけないんだから。
あぁ、予定が15分も押してしまっている！最悪だ！」
リドルはイライラしながら催しを勧めようとしている。
「はい、寮長…。」
「…お前、ほんとにこれでいいわけ？」
小さく返事するトレイに、ケイトはコソっと問いかけた。
「俺には、どうすることも出来ないよ。」
＿でも、彼女なら…ダメだな。人任せじゃ。
そんなケイトの問いにトレイはいつものように取り繕うことが出来ず、苦しそうに答えた。
＿＿ぼた…ぼたぼた
どこかでまた、何かが零れ落ちる音が聞こえた。
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芋けんぴ(プロフ) - Ｒ−アル−さん» しみわたりました！！ (2021年7月25日 1時) (
レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ−アル−(プロフ) - 芋けんぴさん» 五臓六腑に？！？！ (2021年7月19日 20時) (レス) id: 4d2464a69b (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 無題さん» ご指摘ありがとうございます。ただちに訂正して参ります！ (2021年7月14日 7時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
無題 - 突然失礼します。20-1の決闘が血統になってます。 (2021年7月14日 6時) (レス) id: 6b1b4e2ad9 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - どんさん» そうですか…。すみません、謝らせてしまって。 昔に一度試してみたのですが、出来なくて…。別の方法を探してみます。(´;ω;｀)一応、イメージイラストはちゃんとあるんですよ…。 (2021年7月12日 18時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芋けんぴ | 作成日時：2021年1月6日 22時
