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「そうかっ…そう、…うぅ、母さん。」
「え、あのちょ、デュースさん？」
「あーあ。Aがデュースを泣かせたんだゾ。」
デュースはポロポロと涙を目から零す。
その水滴が夕日を感謝して綺麗だ。
・・・しかし、そういうことを言っている場合ではない。
＿ごめん、デュース。その涙は拭えないや。だって、…
「…うわぁ！顔が生卵で…手も少しずつ乾燥してる。うわっ！パキパキだ！」
デュースは自分の涙を拭うために顔を擦ると、忘れかけていたアイツが。
そう、生卵だ。
少女とデュースの手は、生卵で湿っている所と乾燥したところでカオスになっていた。
なんまたんまっご〜
おっと、ドリフが出てきてしまった。
「取りあえず、サムさんの所に行って、卵買いなおしてこよっか。」
少女は同じ状況のデュースなら良いかと、デュースの手を取り、来た道を戻る。
とにかく、今はお使いと言う任務を果たさなければ。
「ふぅ…何か色々あって疲れた〜。」
「うっ…すまん。」
卵を買いなおし、再度帰路に就く一同。
グリムは、少女の手がばっちぃから嫌だと言って、買い足した卵１パックを大事そうに持って歩いている。
小さいあんよが可愛らしい。
「デュースが謝ること無いって。卵もきちんと食べさせたしね。」
「そうだな。きっとヒヨコも安らかに成仏してくれるよな。」
デュースはそう言って空を眺める。
…デュースにはヒヨコが手を振っているのが見えるのだろう。
少女はその発言を聞いて苦笑いを零す。
「あ、あのね、デュース。あの卵は無精卵だから元々ヒヨコにはなれない…よ？」
少女は言い辛そうにデュースに真実を伝える。
デュースはヒヨコのために怒っていたが、あの卵は元々羽化しないのだ。
…現実は残酷である。
デュースは少女の発言に目を見開く。
そして、
「えぇぇぇ！？嘘だろ！！！？？」
というデュースの悲痛な叫びがメインストリートに響き渡った。
グリムは耳を塞いでいた。
＜大食堂ー厨房＞
「お！帰ってきた帰ってきた！ずいぶん遅かったじゃん。」
厨房に帰ってくるとエースが駆け寄り少女の手から荷物を奪う。
少しパキパキしている持ち手に疑問を抱いたようだが、何とか誤魔化した。
「それじゃあ、一気に仕上げよう。」
トレイはお使い組に笑いかけると、素早い手つきでマロンペーストを伸ばしていく。
デュースはその傍らに置かれた卵を見て、また溜息を吐くのだった。
「…俺の、ヒヨコ…。」
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芋けんぴ(プロフ) - Ｒ−アル−さん» しみわたりました！！ (2021年7月25日 1時) (
レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
Ｒ−アル−(プロフ) - 芋けんぴさん» 五臓六腑に？！？！ (2021年7月19日 20時) (レス) id: 4d2464a69b (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - 無題さん» ご指摘ありがとうございます。ただちに訂正して参ります！ (2021年7月14日 7時) (レス) id: e6e71631e0 (このIDを非表示/違反報告)
無題 - 突然失礼します。20-1の決闘が血統になってます。 (2021年7月14日 6時) (レス) id: 6b1b4e2ad9 (このIDを非表示/違反報告)
芋けんぴ(プロフ) - どんさん» そうですか…。すみません、謝らせてしまって。 昔に一度試してみたのですが、出来なくて…。別の方法を探してみます。(´;ω;｀)一応、イメージイラストはちゃんとあるんですよ…。 (2021年7月12日 18時) (レス) id: 9d0d70bc15 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：芋けんぴ | 作成日時：2021年1月6日 22時
