絶対に恋なんかしない。【Sho】

期待させて。 ページ45

何だかすっごいデジャブ感あるんだけど…。

そう思いながらスマホの画面を確認すれば、平野の名前が表示されていた。

私はしばらくそのまま画面を見つめた後、フーッと息を吐いてから電話に出た。

「もしもし」

『お、出たッ!!アッ…もしもし、今大丈夫？』

「大丈夫だから出てるんでしょうよ。

で？平野は何の用があって私に電話してきたの？」

『え？用が無いと電話しちゃダメだった？』

「多分それが許されるのは、相思相愛の恋人だけだと思うよ」

『え、そうなの？じゃあ別にいいじゃん!!

俺はAちゃんの事好きだし、Aちゃんも俺の事好きでしょ？笑」

「でも私達は恋人じゃないから却下」

『も〜何で〜!!相変わらず俺には冷たいよなぁ〜』

「だって、平野に優しくする理由なんてないもん」

『ねぇ、そろそろ俺に恋してくれない？』

平野はいっつも唐突やなぁ。

あ、でも今、さっき廉に言われた事を確認するチャンスかも。

「じゃあ聞くけどさ、平野が私に恋して欲しいのは、

アイドルでKing & Princeの平野紫耀？

それとも平野紫耀っていう一人の男としてなの？」

『ん〜どっちかって言われたら………どっちも!!』

いやいや、どっちか選べや!!

「どんだけ欲張りなんだよ」

『だって俺、Aちゃんにはアイドルの俺の事もカッコいいって思って欲しいし、

プライベートの俺の事も知って、あわよくば好きになって欲しいなぁって思ってるからね!!』

あわよくばなのかーい!!笑

「ざんねーん。

私はこれからも永瀬担だから、平野のその願いは叶いそうもないねー笑」

『じゃあ平野担の方は諦めるからさ、俺の事一人の男として見てくれない？』

「いや、そっちも無理!!」

『だから〜、そんなすぐに答え出さないでよ!!』

「だって変に期待させたくないんだもん笑」

『も〜、少しは期待させてよ!!笑』

期待させてって何なのよ。

思わせ振りな平野の言動に、私はどう答えるのが正解なのかわからずにいた。

頼れる人。→←ずっと永瀬担。

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