私の弟がグイグイ来て困ってます。2【Ren】

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廉の顔が段々と私に近づいてきている事はわかっているのに、

私にはなぜかそれがスローモーションのように見え、嫌だという感情も無いまま廉の顔を見つめていた。

私、このまま廉にキスされるんだ…

そう思った瞬間。

『オイ!!何で突き飛ばさへんねん!!』

キス寸前でピタッと止まった廉が、私の唇に息がかかる距離で言った。

「んー何でだろ、別に嫌じゃなかったから？」

私が素直に思った事を言えば、

廉は盛大なため息を吐いて私から離れた後、呆れた顔で私を見つめていた。

『はぁ？それ、ホンマに言うてんの？

俺がAにキスして、それだけで済むとか思っとんなら大間違いやからな？』

そっか。まぁ普通はそうだよね。

正直、今はその先までは考えてなかったかも。

「大体、そんな事したら追い出す約束だし」

『それはキスだけなら追い出さへんて事？』

「いやいや、キスでも普通に追い出すわ」

『でもこないだは追い出さへんかったやん!!』

「え？あれは消毒だったんじゃないの？

そうじゃないなら、今から追い出すけど？笑」

『いやいや、追い出さんでええわ!!』

急に慌て出した廉を私が笑いながら見つめていると、廉が突然立ち上がった。

「ん？どうしたの？」

『あー、今日は久しぶりに一人で寝るわ』

「え、何で？」

『今日は何もせんでおる自信が無いからや!!』

廉はそう言いながら私を睨むように見つめた後、自分の部屋に入っていった。

さっきまでは何かしようとしてたくせに、なんやかんやで結局我慢するんかーい笑

やっぱり廉は可愛い奴だな。

私を押し倒して迫ってきた時はどうなる事かと思ったけど。

ただ、この時の廉が、

本当は何を考えて自分の部屋へ向かったのか、私はまだ気付いてはいなかった。

残業にて。→←豹変。

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