私の弟がグイグイ来て困ってます。2【Ren】

外ではやめて。 ページ20

結局あの後、帰りは一緒に帰るから飲んで待っとってと言われ、

廉のバイトが終わるまで付き合わされた私。

「いやぁ、こんな偶然あるんだねー」

『ほんまやな、マジでビックリしたわ』

「でも私、廉があの店でバイトするなんて聞いてなかったんだけど」

『サプライズしよう思っとったのに、こっちがサプライズされてもうた気分やわ笑』

「あー、でも私もだよ？

紫耀と親しげに話してた綺麗な人がお姉さんだって知ってビックリしちゃったもん笑」

『いやいや、何を嬉しそうに言うとんねん』

私、嬉しいのかな。

あー、でもまだ紫耀が私の事好きなんだって、心のどこかでホッとしたのかもしれないな。

「え？私、今嬉しそうに言ってた？」

『言うてた!!でも平野は絶対にアカンで？』

そう言って、さりげなく私の手を取りガッチリと恋人繋ぎをしてきた廉。

「ちょ、廉!!外ではやめて!!」

私が慌てて振りほどこうとすると、廉はなぜか嬉しそうに私を見つめた。

『そっかぁ、外はアカンのかー。

んじゃあ、家ん中やったら色々してもエエって事？笑』

「はぁ？そんなわけないでしょ!!

しかも色々って何よ。何か増えてんじゃん!!」

『も〜、何でやねん!!

別に減るもんちゃうんやからエエやんかー!!』

「いや、多分減るからダメ」

『多分てどういう事やねん!!テキトーか』

廉はこんな事を言っていても、家に帰ったからといって何もしてこないと思う。

それでも毎回同じやりとりを繰り返す理由。

それは、廉に変な隙を与えたくない私が出来る唯一の抵抗だから。

しかし、

結局は恋人繋ぎで握られた手を離してもらえないまま、私達は同じ家に帰宅したのだった。

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