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マサイside ページ10

マサイside



「とりあえず酒ねぇ?素面じゃキツイんだけど」

シルクに言われ、冷蔵庫から缶ビールを出す。
軽く乾杯し口をつけると、苦味が口に広がる

「…まだ美味いとは思えねぇ」

「そうか?俺は美味く感じるようになったぞ」

シルクが缶をテーブルに置いたのを見て、
話を切り出そうとするが、何から話せばいいかわからない。
そんな俺を見かねたのか、シルクがニヤっと笑う。


「マサイは今日までAの気持ちに全く気付かなかったのか?」

好かれてはいるのはわかっていたが、
それを異性に対するものだと思ったことはなかった。
幼馴染、親友に対する好意と受け止めていた。
シルクの言葉に返答を思案していると
Aとの過去の思い出がちらつく


「…いつからAは俺を好きだったんだ?」

「俺に聞くなよ」

「…フィッシャーズから離れた理由は俺か?」

いくら読み返しても分からなかったAからのメール。
自惚れでなければそれも俺のことだったのかもしれない。

「それも俺に聞くなよって言いたいけど…
きっかけの一つではある。
あの時Aが離れてなかったらどうなったか、
マサイも考えたことあるだろ?」

軽く頷き、思い返してみる。
今のような関係を築けていたとは思えない
Aとも、フィッシャーズとも

「…Aってすげぇな」

シルクがぶはっと吹き出す。
笑いを抑えるように真剣な表情を作っている。

「…後悔なんてせず、Aの気持ちに向き合ってくれ。
釣り合わないとか考えんなよ?」

「…わかった」

「んで、マサイはAから告られんの待つのか?」

やっぱりシルクは俺を煽るのが上手い。

「…ちゃんと俺から告白する」

俺の決意を聞いてシルクは笑顔を浮かべる。

「まぁ、アイドル卒業して生活が落ち着いてからにしてやれよ。
はじめての恋人に舞い上がって仕事が手につかなくなるかもしれん」

それは軽口の類だが、そんなAが簡単に想像できてしまった

「Aもいろいろ落ち着いたらって言ってた。
つまりフィッシャーズがまとまったらだな。
リーダーの頑張りにかかってるな?」

先ほどのお返しにと、少しシルクを煽る。

「…プレッシャー与えんなよ」

・→←マサイside



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設定タグ:マサイ , フィッシャーズ , Fischer's   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:にゃんこすき | 作成日時:2019年5月16日 17時

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