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モトキに言えない事すんなよ!
と言いながらシルクは帰った。
しないわ!…前科あるけど。
わたしは表情を引き締めて、マサイの前に座り直す。
「ごめんね。強引に2人にしちゃって」
「俺とはいえ、自宅に男と2人っきりは危ないと思うけどな。…でも、真面目な話なんだろ?」
マサイも真剣な眼差しだ。
「うん。さっきの課題の件もあるし、シルクにはまだ話さない予定」
「今後のこと?」
「そう。YouTubeだけに絞るなら、広告収入に頼りきりは今後不味くなる」
「広告収入だけじゃ生計が立てられない?」
「今のところは大丈夫だと思う。けど今後大手広告主が撤退して広告収入が激減したりする可能性はある。リスクは最初から考えておくべきだと思う」
「リスクか…。」
「そう。グッズ販売とかファンミーティングとか、視聴者向けのイベント増やして、他の収入源も得た方がいい」
「…やっぱり事務所に入らないとキツいよな」
「みんなが卒業する頃には絶対に入った方がいい。だけどまだみんなの今後が決まってないからね。少しずつ検討して行く感じで」
「それはやっぱり俺とシルクでやってくべきことなんだろうな」
サブリーダーであり、色々な事をまとめているマサイとリーダーであるシルクが本当は決めて行く事だとは思う。
「シルクには出来るだけフィッシャーズをまとめる事に集中してもらいたい」
それはリーダーである彼が中心とならないといけない事だ。
「だからマサイ、わたしと組んで」
「組む?」
「シルクを支えること、今後のリスクヘッジを考える事。メンバーみんなのやりたい事をそれぞれ全力で後押しする事。マサイと一緒にやっていきたい」
「…俺はすげぇ助かるけど、それAの負担が大きすぎないか?」
「そんなに焦って進める事じゃないから、アイドルを卒業してから少しずつ動きはじめる。大学もみんなより1年早く卒業できる分、身軽になるよ」
「…頼むわ」
「今日からコンビ結成ね」
マサイの前に手を差し出す。
「おう。よろしく」
軽く握り返され、2人で笑い合う。
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作者名:にゃんこすき | 作成日時:2019年5月16日 17時