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7月の上旬、
わたしはシルクとマサイと新居で向き合っている。
シ「悪いな。場所まで借りて。」
「いや、それはこっちの都合だからいいけど」
呼び出しを受けたものの、安全に会える場所が
わたしの自宅しかなかっただけだ。
「あ、このあいだの件?」
事務所の会議室で起きた一幕。
フィッシャーズの今後についての課題。
シ「あぁ。腹決めた。俺はこのままYouTube一本に絞る」
マ「俺もできるとこまで」
「…そっか。わたしも全力で協力する」
シ「助かる。これ、あいつらに伝えたらどうなるか予想つくか?」
「んー。ンダホとぺけたんは協力してくれると思うよ。モトキも多分。ダーマとザカくんは…読めないなぁ」
シ「だよなぁ」
「でもちゃんと伝えて、これからの事をみんなで話し合って考えるべきだと思う」
シ「そうだな。近いうち機会作るわ」
「あと、きちんとした目標を作ることも大事じゃない?」
マ「目標?」
「そう。ただ生活のためにYouTubeをやってくわけじゃないって言うのを、みんなにわかって貰ったほうがいいと思う」
シ「たとえば?」
「わたしはね、自分の作った歌で元気が出たとか言われるとすごい嬉しいから、今後はいろんな歌詞に挑戦して、聴いてくれた人の何かのきっかけになればと思ってる」
マ「きっかけ?」
「泣きたい時に泣くとか、辛い時に元気付けられるとか。」
シ「…結構考えてるんだな」
「アイドルにしては上手いって言う評価をそろそろ吹き飛ばしたい」
かなりの自信作でも評価はそんなものだ。
事務所の社長はそんな評価が嫌でアイドルをやめて欲しかったらしいし。
マ「めっちゃ上手いのにな」
「…ありがとう」
シ「…また課題だな。あいつらに話す前に色々考えてみる」
「うん。どうせなら世界的なYouTuber目指すとか大見得切った方が楽しいと思うけどね」
シ「…一旦持ち帰った上で前向きに検討します」
また断る時の常套句だ。
「…それより今日、何の日か覚えてる?」
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作者名:にゃんこすき | 作成日時:2019年5月16日 17時