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お腹いっぱいになってソファに転がりながら録画したドラマをぼーっと眺める。
ほんの二週間前には想像もできなかった幸せな時間で、今だけは仕事も会社も全部忘れてゆっくりできる…
降って湧いた幸福を噛みしめていると、皿洗いを終えた北斗がリビングに入ってきた。
「おかえり北斗」
「お前さ、俺がいなくなったらどうやって生活するんだよ」
「またその話ー?」
「もうお前家事できねえじゃん、全部俺がやってるもん」
「そうだねえ」
「どうすんだよ、俺が突然ここから出てったりしたら」
「べつにー、何とかなるんじゃない?今までだって何とかなってたし?」
「あのカップ麺だらけのキッチンに戻るんだぞ」
「まあそれはそれ。北斗こそ、ここ出てどっか行くとこあるの?」
「それは…」
「私がいなくなったら生活できないのは北斗も一緒じゃーん」
北斗はまた、悔しそうに黙り込んだ。
赤の他人に養われてる今の生活を気にしてるみたいだけど、私は別に今幸せだし満足してるから、それでいいかなって。
こういう時、北斗はすごく幼く見える。
あんまり詮索するのも悪いと思って歳も聞いてないけど、きっと年下なんだろうなと思ってしまうのはこういうところから。
ふふっと笑ってみせて、ソファを空けた。
綺麗に畳まれた毛布を広げる北斗におやすみと一言残して、私は寝室に入る。
こんな共同生活が他人に知られたら何て言われるだろう。
それでもこの快適な暮らしと、無性に馬が合う北斗との距離感はやっぱり手放し難いと思えた。
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はぴ(プロフ) - 澪さん» ご指摘の点、修正いたしました。最後までお読みいただきありがとうございます! (2019年10月27日 23時) (レス) id: 30e2dc2cd0 (このIDを非表示/違反報告)
はぴ(プロフ) - あんずさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます...!お楽しみいただけて何よりです! (2019年10月27日 23時) (レス) id: 30e2dc2cd0 (このIDを非表示/違反報告)
澪 - 完結おめでとうございます!すみません、あの次のお話にいくときに押すボタンのところがまだ続くになっていますよ 完結したので編集画面で執筆状態のところを完結にしてくださいね (2019年10月27日 22時) (レス) id: 1546ba87f7 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 完結おめでとうございます…!すごく惹き込まれるお話で、最近はこのお話の更新が1番楽しみでした!素敵なお話をありがとうございます。とっても楽しかったです!本当に、お疲れ様でした! (2019年10月27日 22時) (レス) id: c8152cd10b (このIDを非表示/違反報告)
はぴ(プロフ) - ぽめり。さん» お読みいただきありがとうございます!本日で完結してしまいましたが、また今度お話を出すときに読んでいただけたら幸いです! (2019年10月27日 21時) (レス) id: fcb0b50e70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:はぴ | 作成日時:2019年10月5日 23時