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「Aに拾われてきて帰り待ってる間は、お礼だけ言って出ていこうと思ってた。なのにヒモになれとか言い出すから、そのまま…
…ずっとこのままでいちゃいけないとは思ってたんだけど、そう思えば思うほど、Aと離れたくなくて。
でもいつか俺が前科者だってバレた時、Aに何て言われんのか想像したら怖くて、知られたくなくて…」
「…だからあんなに、樹くんとは会わないでって言ってきたんだね」
「…Aがあいつと同じ仕事始めるちょっと前に、あいつと会ったんだ。今のままじゃ駄目だろって言われたんだけど、でもAに本当のこと言えなくて、だからあいつが全部バラそうとしてるって思ったんだ」
「ねえ北斗」
うつむいたままの北斗が顔を上げた。
こぼれそうなくらい涙を湛えた目が私の目をとらえる。
「私、北斗が前科者だって聞いた時…どうしても信じられなかった。うちにいる北斗は、ちょっと口うるさいけど世話焼きで、いつも優しかったから」
一言多いだろ、と笑う北斗が少し視線をそらす。
「それなのに、樹くんに前科者だって言われたのがどうしても忘れられなくて、本当のこと聞きたかったけど、聞いちゃったら今までと同じように北斗と一緒にいられるか自信なくて…」
「…うん」
「これじゃ、北斗のこと苦しめた人たちと同じだよね」
「そんなの、」
「っでもね、私やっぱり北斗と一緒にいたい」
驚いて私に目線を合わせた北斗の目から、涙がひとすじ溢れて頬をつたった。
「北斗の過去がどんなものかなんて知らなかったけど、北斗は北斗だもん。私が知ってる北斗は、料理が上手で掃除も洗濯も完璧で、口うるさいけど面倒見がよくて、本当はすごく優しくて、っ」
勢いよく飛びついてきた北斗に抱きしめられて、言葉が途切れる。
私の肩に顔をうずめた北斗は、鼻をすすりながらぎゅっと腕に力をこめた。
「A、俺さ、Aのこと好き」
「…うん」
「俺、Aと一緒にいてもいい…？」
「…ハンバーグ、作ってくれる？」
「…毎日作る」
「毎日、は飽きちゃうなあ」
「じゃあ飽きないように毎日違うもの作る」
「ずっと？」
「うん」
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はぴ(プロフ) - 澪さん» ご指摘の点、修正いたしました。最後までお読みいただきありがとうございます！ (2019年10月27日 23時) (
レス) id: 30e2dc2cd0 (このIDを非表示/違反報告)
はぴ(プロフ) - あんずさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます...！お楽しみいただけて何よりです！ (2019年10月27日 23時) (レス) id: 30e2dc2cd0 (このIDを非表示/違反報告)
澪 - 完結おめでとうございます！すみません、あの次のお話にいくときに押すボタンのところがまだ続くになっていますよ 完結したので編集画面で執筆状態のところを完結にしてくださいね (2019年10月27日 22時) (レス) id: 1546ba87f7 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 完結おめでとうございます…！すごく惹き込まれるお話で、最近はこのお話の更新が1番楽しみでした！素敵なお話をありがとうございます。とっても楽しかったです！本当に、お疲れ様でした！ (2019年10月27日 22時) (レス) id: c8152cd10b (このIDを非表示/違反報告)
はぴ(プロフ) - ぽめり。さん» お読みいただきありがとうございます！本日で完結してしまいましたが、また今度お話を出すときに読んでいただけたら幸いです！ (2019年10月27日 21時) (レス) id: fcb0b50e70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はぴ | 作成日時：2019年10月5日 23時
