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非常階段を駆け上がってビルを出て、
とにかく走ってネオン街を抜けた。
雑踏から離れてたどり着いた小さな公園には誰もいなくて、
街灯のわずかな灯りの下、三人で息を切らせてベンチに座った。
「樹くん、助けてくれてありがとう…」
「…まさかあんなとこでAさん見かけるとは思ってなかったよ」
樹くん曰く、
北斗を連れてきた人たちは、さっき後から入って来た怖い人たちから勝手に独立しようとして揉めている最中だったらしい。
北斗を連れていく姿とそれに続く私を見て
とっさにその人たちに独立グループを見かけたと連絡して、話を大きくしてくれた。
その間に私たちはこっそり抜け出すことができたというわけで。
いろんな大人の事情が絡んだややこしい話だからAさんは知らなくていいよ、と細かいところは誤魔化されてしまった。
なんで樹くんはそんな人たちと知り合いなのか。
なんであんなところに樹くんがいたのか。
聞きたいことはいろいろあったけど、今はそんなこと口に出せるような雰囲気ではなかった。
「…たまたまだったんだよ、ダイケンを…北斗を見かけたのは。突然この街に現れたかと思ったら買い物デートなんてしててさ」
しばらくの沈黙の後、樹くんが口を開いた。
私と二人で、デート用の服を買いに行った日のことだろうか。
まさか樹くんがそれを見ていたなんて。
「こいつはちゃんと社会に溶け込んで、まともに生活してんのかなって思ってたんだよ。
…でもちょっと調べたらすぐわかった。お前はほとんど家から出ない、出るとすればゴミ捨てかスーパーへの買い出しくらい。
おまけに彼女は…Aさんのことだけど、毎日遅くに同じマンションに帰って来る。
きっと、家事しながら家でAさんの帰りを待ってんだろう、お前のことだからきっと自分の素性は明かしてないんだろうってな」
樹くんが話している間、
北斗はうつむいてどこか一点を見つめていた。
そんな北斗に構わず、樹くんは話し続ける。
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はぴ(プロフ) - 澪さん» ご指摘の点、修正いたしました。最後までお読みいただきありがとうございます！ (2019年10月27日 23時) (
レス) id: 30e2dc2cd0 (このIDを非表示/違反報告)
はぴ(プロフ) - あんずさん» 嬉しいお言葉をありがとうございます...！お楽しみいただけて何よりです！ (2019年10月27日 23時) (レス) id: 30e2dc2cd0 (このIDを非表示/違反報告)
澪 - 完結おめでとうございます！すみません、あの次のお話にいくときに押すボタンのところがまだ続くになっていますよ 完結したので編集画面で執筆状態のところを完結にしてくださいね (2019年10月27日 22時) (レス) id: 1546ba87f7 (このIDを非表示/違反報告)
あんず(プロフ) - 完結おめでとうございます…！すごく惹き込まれるお話で、最近はこのお話の更新が1番楽しみでした！素敵なお話をありがとうございます。とっても楽しかったです！本当に、お疲れ様でした！ (2019年10月27日 22時) (レス) id: c8152cd10b (このIDを非表示/違反報告)
はぴ(プロフ) - ぽめり。さん» お読みいただきありがとうございます！本日で完結してしまいましたが、また今度お話を出すときに読んでいただけたら幸いです！ (2019年10月27日 21時) (レス) id: fcb0b50e70 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：はぴ | 作成日時：2019年10月5日 23時
