大丈夫だから ページ28
「轟さん一旦テレビから離れましょう。大丈夫だから。」
「せんせ……」
先生が慌てて私を椅子に座らせた。
テレビの音量が小さくなったけど、耐えきれずに耳を塞いで目を固く閉じて俯いた。
頭の中がツギハギだらけの顔でいっぱいだ。
荼毘さん。
いや、
燈矢お兄ちゃん。
お願いだから死なないで。あなたが死んだら私……わたし……
「お兄ちゃん……！！」
小さな悲鳴が口から漏れた。
悲しみに胸が貫かれそう。
「Aっ！！」
「……みんな」
鈴の鳴るような声で名前を呼ばれ、弾かれたように顔を上げる。
息を荒くしたゆいこや委員長、クラスメイトのみんなが職員室の扉の前で立っていた。
「ニュース見たあと急に走り出したけん、探し回っとった。」
「轟さん、その……」
言葉に詰まる委員長。
テレビの音だけが聞こえる重い空気の中、とある男子が口を開いた。
「……俺らも正直なんて言っていいかわかんねぇ、けど信じよ、エンデヴァーとか他のヒーローのこと。」
「そうだよ！きっとヒーローがなんとかしてくれるから！」
「そう……だね。」
なんとかできるレベルはもう過ぎてしまったと言ったらきっと傷つけてしまうだろう。
かつてこんなに被害の大きい抗争があっただろうか。
横目で盗み見たオールマイトも同じような表情で黙り込んでいた。
善良な市民には分からない、ヒーローや抗争の勃発を知っている人間しか察知できない現実だ。
「とにかく皆さん、一旦寮に戻ってください。先程生徒全員を寮に帰らせるように指示が出ました。」
先生がいつになくハキハキした声で指示を出し、言い終わるとフッと顔を緩めて「大丈夫。今日はテレビから離れてゆっくりしましょう。」と言った。
その暖かな言葉にみんな肩の力が抜けて、私もやっと立ち上がることができた。
「A、帰ろ。」
「…うん」
オールマイトに迷惑をかけたことを謝ろうとしたその時、
パッと画面が切り替わり、見覚えのあるつぎはぎの体が映し出された。
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名無し65741号(プロフ) - 更新待ってました！！ありがとうございます！ (6時間前) (
レス) id: 9c5ca5a812 (このIDを非表示/違反報告)
くじら(プロフ) - めっちゃ好こです！更新頑張ってください！ (4月5日 8時) (レス) @page30 id: 85541f6d4c (このIDを非表示/違反報告)
爪楊枝 - 読んでいて、すごく楽しいです！！ (3月29日 8時) (レス) @page30 id: ee4a2d718e (このIDを非表示/違反報告)
餅つき団子(プロフ) - アップルパイさん» ありがとうございます！感情移入して読んでくださりとても嬉しいです！亀更新ですがこれからもよろしくお願いします。 (2月17日 0時) (レス) id: 2a377f2d71 (このIDを非表示/違反報告)
餅つき団子(プロフ) - 名無し47183号さん» ありがとうございます！亀更新で本当に申し訳ありません…！これからも応援していただけると幸いです！ (2月17日 0時) (レス) id: 2a377f2d71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：餅つき団子 | 作成日時：2023年3月7日 17時
