物語の結末 ページ25
「できないよ……焦凍に頼まれたことがあるから。」
涙を拭いながら答えると、忌々しそうな舌打ちが聞こえてきた。
「ごめんなさいお兄ちゃん、恩を仇で返すような真似して。でも家族を守らなきゃいけない。」
約束したんだ、兄に頼られたんだ。
自分が受け入れた足枷なら、つけて歩かなければならない。
お兄ちゃんの忠告を無視してまで守る約束なのか判断する力はもう無かった。
お兄ちゃんは電話口でふぅんと言った後、「お父さんは元気か？」と急に尋ねた。
「げ、元気だと思う。」
「分かった、じゃあ元気でな。」
「待って！私、言ったよね、お兄ちゃんのことをずっと想ってるって。」
「ああ…」
「今もだよ。ずっとずっと大好きなの。
お願い死なないで。」
大罪を犯した敵に、生きてなんて言える機会はもう無いだろう。
この機会を逃したくはないし、破滅の道を辿るお兄ちゃんを繋ぎ止める約束が欲しかった。
「俺言っただろ、Aのためなら100万回死ねるって。今回もそのうちの一回に過ぎないンだから、心配するな。」
そう言って一方的に電話が切られた。
燈矢お兄ちゃんが辿ろうとしている運命の行く先がぼんやりと見えてきた。
ここまで知ってしまうと、私の心はもうどうにかなりそうだった。
逃げなければいけないほど大きな争いが真後ろに控えている。
そして荼毘さんは、
燈矢お兄ちゃんは死ぬ。
物語のネタバレをされたに等しいが、こんな結末なら知りたくなかった。
お兄ちゃんが幸せにならない結末よりも、この涙を止める方法を知りたかった。
そして翌日、街からヒーローが消えた。
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名無し65741号(プロフ) - 更新待ってました！！ありがとうございます！ (5月11日 23時) (
レス) id: 9c5ca5a812 (このIDを非表示/違反報告)
くじら(プロフ) - めっちゃ好こです！更新頑張ってください！ (4月5日 8時) (レス) @page30 id: 85541f6d4c (このIDを非表示/違反報告)
爪楊枝 - 読んでいて、すごく楽しいです！！ (3月29日 8時) (レス) @page30 id: ee4a2d718e (このIDを非表示/違反報告)
餅つき団子(プロフ) - アップルパイさん» ありがとうございます！感情移入して読んでくださりとても嬉しいです！亀更新ですがこれからもよろしくお願いします。 (2月17日 0時) (レス) id: 2a377f2d71 (このIDを非表示/違反報告)
餅つき団子(プロフ) - 名無し47183号さん» ありがとうございます！亀更新で本当に申し訳ありません…！これからも応援していただけると幸いです！ (2月17日 0時) (レス) id: 2a377f2d71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：餅つき団子 | 作成日時：2023年3月7日 17時
