般若 ページ12
「あンの疫病神ぃ……！！」
「だからもう大丈夫だってば。」
始業式。
新年早々、私の隣には怒り狂った般若がいた。
ムスッとした顔のゆいこを見て、通りすがりの男子が面白いもの見つけた！という顔でニヤニヤしながらこっちに来た。
「轟さんあけおめー、維崎どしたん？」
「あけましておめでとう。
私、新年にちょっとトラブっちゃって。その話してたの。」
「ほー、もう大丈夫なん？」
「うん。」
「そっか。維崎もあんま怒んなよー老けるぞ。」
「老けん！去れ！！」
ギィー！っと歯を見せて威嚇する顔を見て、男子は笑いながら自席へ着いた。
「A、あんた兄に関わるのやめとき！！」
「なんで鬼気迫る顔してるの。
大丈夫、兄さんも実習で忙しくなるだろうし。」
ゆいこを宥めながら、ヒーロー科のことを考える。
A組はみんな仮免を取得できたらしく、これから外部で実践を行う機会が増えるらしい。
みんなもうすっかりヒーロー見習いの顔つきになっていた。
「2年からは特に関わりもないだろうし、3年なんてインターンと大学受験だよ？
兄さんも、忙しくなったらすぐに私のことなんて忘れちゃうよ。」
「ゆいこ今日全校集会で表彰でしょ？怖い顔してたら駄目だよ、笑顔でいないと。」
「そうね…そうやね。」
半ば予感がしていた。
兄さんはもう私に関わってこないだろうと。
エンディングに襲われた日、泣いていた私の背をさすったのは夏兄だった。
今までならまるで泣いた子にピッタリと張り付く女の子のように兄さんが飛んできただろうに。
いったいどんな風の吹き回しか疑う一方で、そのまま放っておいて欲しい、というのも私の願いだった。
私を助けてくれたのは有り難いけれど、それ以上何もしてほしくない。
ただのヒーローとその家族の一人。そんな関係になりたかった。
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名無し65741号(プロフ) - 更新待ってました！！ありがとうございます！ (5月11日 23時) (
レス) id: 9c5ca5a812 (このIDを非表示/違反報告)
くじら(プロフ) - めっちゃ好こです！更新頑張ってください！ (4月5日 8時) (レス) @page30 id: 85541f6d4c (このIDを非表示/違反報告)
爪楊枝 - 読んでいて、すごく楽しいです！！ (3月29日 8時) (レス) @page30 id: ee4a2d718e (このIDを非表示/違反報告)
餅つき団子(プロフ) - アップルパイさん» ありがとうございます！感情移入して読んでくださりとても嬉しいです！亀更新ですがこれからもよろしくお願いします。 (2月17日 0時) (レス) id: 2a377f2d71 (このIDを非表示/違反報告)
餅つき団子(プロフ) - 名無し47183号さん» ありがとうございます！亀更新で本当に申し訳ありません…！これからも応援していただけると幸いです！ (2月17日 0時) (レス) id: 2a377f2d71 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：餅つき団子 | 作成日時：2023年3月7日 17時
