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32.5 華なんて俺にはない ページ34

仕事の休憩にと


廊下を歩いていると浮竹と出会った


何故か浮竹は毎回俺に会うたびお菓子をくれる


同じ名前だからとか何とか言ってたが


今回のはそれなりに大きい、菓子の詰め合わせをもらった


片手で持ち切れず渋々両手で抱える


『クソ、前がほとんど見えねぇ・・・』


慎重に歩いていると前から雛森の声が聞こえた


声からするに藍染を呼んでるらしい


本当アイツ、藍染のこと慕ってるな。


「きゃっ!」

『っ!』


誰かとぶつかった


俺はすぐに抱えていた菓子を床に置き、ぶつかった相手へ手を差し出す


『すまねぇ、大丈夫・・・か』


俺が手を差し出した相手は雛森だった


「あ、シロちゃ・・・日番谷くん」


『お前かよ』


手を掴むと雛森を立ち上がらせる


「もう!いきなりぶつかってきてお前かよはないでしょ」


頬を膨らませて地団駄を踏む雛森


『悪かったな。ところで、何してんだお前』


「私?私は今藍染隊長を探してるの、これから一緒に三番隊の吉良くんたちと話があって」


『話?』


「うん、他愛無い話だよ?あとは隊の合同演習のこととか」


『ふーん』


「そういう日番谷くんは?」


『日番谷隊長な。俺は息抜きだ』


「そっか、まだ乱菊さんの仕事終わらないのか」


『まあな』


少し残念そうに目を伏せる雛森


寂しいのか?


藍染が居るだろ。


ああ、そのことを考えるのは止めだ


少しの沈黙の中、雛森が口を開く


「あ!あれ藍染隊長と藤村さんじゃない?」


雛森が指さす先を見る


そこには藍染と楽しそうに話す藤村の姿があった


じわりと何かを蝕む感覚


"どいつもこいつも藍染かよ"


心の隅にあるどす黒い感情に支配される


"もっと俺を見ろよ、藤村も雛森も"


やめろ


"言ってもムダだ、本音の1つなんだからな"


止せ。


雛森は、藍染の部下だ


それに藤村だって藍染の元部下だ


慕って何が悪い


そうだ。


何を嫉妬してるんだ俺は


それに間違っても俺は、藤村に恋愛感情なんか抱いてない


だからこのどす黒い感情は偽りだ、嘘だ。


抑え込め、この感情を。



「・・・がやくん?」


「日番谷くん!」


『!・・・どうした?』


「どうした?じゃないわよ、いきなり2人見て動かなくなるんだもん」


大丈夫?と俺の顔を覗き込む雛森


『ち、ちけぇよアホ』


その広い額に手を当てぐいっと押す


雛森はまだ心配してる様子だが俺は気にせず

素っ気なく答えるとその場を去った

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設定タグ:BLEACH , 日番谷冬獅郎   
作品ジャンル:恋愛
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白銀水龍(プロフ) - 更新履歴がありません! (2019年4月12日 6時) (レス) id: e63f949200 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:茜白子 | 作者ホームページ:http  
作成日時:2017年4月10日 7時

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