閑話：side安室―3 ページ5
顔を真っ赤にしてあわあわとしている彼女を見つめながら、僕は声をかけた。
安「制服のままで眠ってしまっては、シワになってしまいますよ？これに着替えて、リビングの方に来てくださいね」
ぽい、と自分のTシャツを彼女に投げて、そのまま寝室から出る。
何かを言いたそうにして、口を開閉している彼女をそのまま無視して、寝室の扉を閉める。
その瞬間、自分が“安室”から“降谷”になったことを自覚した。
降「(今日、接点があったのは、学校関係者。蘭さん、園子さん、コナンくん、世良さん……それに、佐竹とかいう男。もし学校関係者であるならば少し難しい。……が。候補としてあげられるのは、あの佐竹という男、か)」
頭の中でそんなことを考える。
今まで、兄を求めていたあの少女が、初めて兄をかばおうとして、拒絶した。
ということは、なんらかの刺激を受けて、その行動になったはず。
今日は高校に通い始めての初日。様々な人間と触れ合ったはず。だが、その中でも特に疑問が多かったのは、あの佐竹という男だ。
降「(なぜか僕を目の敵にしていたな。それに、彼女にも積極的に絡もうとしていた……)」
それだけで、すでに佐竹という男が彼女となんらかのつながりを持っていたという推測ができる。
もしかしたら本当に一目惚れなのかもしれないけれど、彼の行動はいちいち、彼女が自分のその行動を受け入れて“当たり前”という態度だった。
それがどうにも腑に落ちなかったのだが、そう想像すれば、辻褄は合う。
降「(とにかく、何かしらの対策はしておかないと危ないか……)」
まずは、Aに携帯を持たせるところからだなと考えて、頭の中でいつ買いに行くかということを考える。
どうせなら同じ機種の方が教えやすいかと考えて頭の中でしっかりと計画を立てた。それとほぼ同時に寝室の扉が開く。ソファーに座っていた僕は体を少し捻って彼女の方を振り向く。
……うん。Tシャツはダメだな。僕は即座に立ち上がり、彼女を寝室にもう一度押し戻して、タンスからジャージの下だけを取り出す。そして彼女に渡してそれを下に履いてくれということを伝え、もう一度寝室から出た。
雑念を消すために、食事の準備をして、彼女が出て来たときに、一緒にダイニングテーブルにつき、そばを食べた。
そらから、彼女とベッドに入り(ちゃんと許可はもぎ取った)、一緒に眠った。
腕の中で穏やかに眠ってくれている彼女を見て、安心し、僕も眠りに落ちたのだった。
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霞葉 - このお話、とても好きです。続き、楽しみに待っています。 (2020年6月22日 12時) (
レス) id: a64398df50 (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - RURUさん» RURU様、お久しぶりです！いつもあたたかなコメントを本当にありがとうございます。大変お待たせしてしまいましたが、ちょこちょこと更新も再開したいと思っておりますので、またおヒマな時に遊びに来てください！ (2019年2月17日 14時) (レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - 白昼夢さん» 白昼夢様、コメントありがとうございます。更新大変遅くて申し訳ありません……。にもかかわらず、作品を大好きと言っていただける優しさにただただ感謝しております。ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年2月17日 14時) (レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
RURU(プロフ) - うおおおおおおおおおおおおおお！！！更新待ってましたーーー！もう大好きです！いつまでも楽しみにしてます！ (2019年2月14日 12時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢 - ああああああああああああああぁあぁああぁ！！！更新されてるうぅぅうううぅうう！！！って思いました！w頑張ってください！この作品大大大好きです！！ (2019年1月16日 16時) (レス) id: 57897e1d91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃沙 | 作成日時：2018年7月11日 14時
