優しさをください。81 ページ15
なんとか、一週間を無事に過ごした私は、本日土曜日をまったりと満喫する――予定だった。
安「Aさん、出かけましょうか！」
『…………え？』
突然、安室さんにそう言われて私は困惑を隠せず安室さんを凝視してしまった。
この人は、結構唐突に何かをしようと言い始める。しかも、それは基本的に私に対して何かを与えるための行動が多い。
それを自覚した瞬間に、私は首を左右に振って拒絶した。
なにを与えられるかわからないけれど、与えてもらってばかりのこの状況で、さらに何かを与えてもらうなんて申し訳なさすぎて私が辛い。
そう思っての行動だったのだけれども……。
安「今回は、Aさんにとってとても必要なものを買いに行くんです」
『……？私にとって、必要なもの？』
安「ええ。ですから準備してくださいね。五分後にまだ服を着替えていなかったは、僕が手伝ってあげます」
ニッコリと笑いながら私にそんなことを言って、寝室に押し込まれた私は、安室さんになにを言われたのか、正直理解できなかった。
言葉をゆっくりと、噛みしめるようにして理解した瞬間に、自分の顔が真っ赤に染まったのを自覚する。
そこから私は、慌てて着替えを済ませたのだった。
* *
『……ここは……携帯ショップ、ですか？』
安室さんに連れてきてもらったのは、ショッピングモールが立ち並ぶストリートの一角。そこは誰が見ても携帯ショップである。
戸惑いを隠せない私とは裏腹に、安室さんは嬉しそうに私の手を引きながらお店の中に入っていく。
引っ張られている私(何度か解こうともがいたけれど無意味だった)は、大人しくついていくしかないため、大人しくしていたけれど、入ったショップが珍しくてついキョロキョロとしてしまった。
そんな私を見て、安室さんが少し首をかしげる。
安「そんなにも珍しいですか？」
『あ、はい。なんか、初めて来ました……』
安「……そうなんですか。なら、やはり買う機種は決まってますね」
『……え』
そう言って、安室さんはすぐに店員さんを呼び、自分のスマホを見せながらなにやら話している様子。
……こんな時くらい、私の手を離してくれてもいいと思うんです。
まるで私が離れていかないように繋いでいるその手に、少し気恥ずかしさを覚えながら、安室さんが話し終わるのをただ待っていた。
安「Aさん」
『はい』
呼びかけられたため返事をして振り向くと、安室さんが満面の笑みで私を見ていた。
……ちょっと、不安。
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霞葉 - このお話、とても好きです。続き、楽しみに待っています。 (2020年6月22日 12時) (
レス) id: a64398df50 (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - RURUさん» RURU様、お久しぶりです！いつもあたたかなコメントを本当にありがとうございます。大変お待たせしてしまいましたが、ちょこちょこと更新も再開したいと思っておりますので、またおヒマな時に遊びに来てください！ (2019年2月17日 14時) (レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
妃沙(プロフ) - 白昼夢さん» 白昼夢様、コメントありがとうございます。更新大変遅くて申し訳ありません……。にもかかわらず、作品を大好きと言っていただける優しさにただただ感謝しております。ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2019年2月17日 14時) (レス) id: 8817d67e5d (このIDを非表示/違反報告)
RURU(プロフ) - うおおおおおおおおおおおおおお！！！更新待ってましたーーー！もう大好きです！いつまでも楽しみにしてます！ (2019年2月14日 12時) (レス) id: b7492cc28b (このIDを非表示/違反報告)
白昼夢 - ああああああああああああああぁあぁああぁ！！！更新されてるうぅぅうううぅうう！！！って思いました！w頑張ってください！この作品大大大好きです！！ (2019年1月16日 16時) (レス) id: 57897e1d91 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：妃沙 | 作成日時：2018年7月11日 14時
