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第十七訓 ページ17

「まぁ、今すぐって訳じゃないし。そのうち考えとくよ」

Aの一言でその場は一旦閉じられる。
気づけば外には高く高く月が輝いていた。

「もう、こんな時間か…夕餉、遅くなっちゃってごめん。今からつくるよ」

よいしょ、と立ち上がったAに釣られるようにぱらぱらと行動を始める。

「主、手伝うよ、俺」

「ありがとう安定。助かるよ」

「俺も手伝うよ!」

「清光もありがと。いこっか」


「五虎退、俺っちたちは掃除でもしてるか」

「はい!薬研兄さん。あ、あの…今剣くんと、小夜くんも、一緒にやりませんか?」

「…うん、手伝う。じっとしてるのは、苦手」

「てつだいますよー!ついでにおうちのなか、あんないしてほしいです!」


「私は部屋に戻って主の書類の整理でもいたしましょう」

「おや、江雪兄さんがやるのなら僕もやりますよ」


「わしは風呂でも沸かしてくるかの!」

「…不安だ。俺も行く」

「楽しそうだな!山姥切、俺も手伝うぜ!」

「鶴丸はくるんじゃなか!汚れる!」

「驚きだぜ、そっくりそのまま返すぞ、陸奥守‼︎」


「やることがなくなってしまいましたね…ぬしさまの手伝いを私もしたかったのに」

「おお!小狐丸ちゃん、暇ならあたしと兄貴と酒盛りしましょ!」

「…巻き込まないでくださいよ、次郎」


ざわ、ざわ。


それぞれが行動を始めた、その時。

 
 

「A…?」




「…、え?」

Aは驚いたように立ち止まる。

「…どうしたの、主」

「なんかあった?忘れ物?」

共に行こうとした安定と清光が不思議そうに問う。

「……いや、まさかね」

この本丸にAの名を呼ぶものはいない。
ましてやこの世にはもう、知るものすらいないはずで。

「なんでもない、いこう、二人とも」

「?、うん」


−−−ぱたん



この部屋に残っているのは、Aが握っていた賽子と。



 
「……そうか。主は、Aというのか」



笑みを浮かべた三日月宗近。ただ、一人。

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設定タグ:刀剣乱舞 , 白崎稜 , 三日月宗近   
作品ジャンル:泣ける話
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黎奈(プロフ) - はじめてコメントさせていただきます!!すごく面白かったです。完結お疲れ様でした!第四訓で宗三左文字が宗山左文字になっていらっしゃるのでご報告させていただきます。あと、ちょこちょこ報告に来るかもしれません… (2015年10月18日 22時) (レス) id: 339ceb4b4b (このIDを非表示/違反報告)
華維璃(プロフ) - お疲れ様でした!とても面白かったです!小説の書き方、参考にさせて頂きます<(_ _)> (2015年9月22日 20時) (レス) id: 5dbf713d35 (このIDを非表示/違反報告)
連合(プロフ) - お疲れ様でした! (2015年7月19日 17時) (レス) id: bbc5de6b90 (このIDを非表示/違反報告)
らい兎(プロフ) - 第三四訓の「突き出ているのは日本の大きな角。」というところもしかして日本→二本でしょうか?面白かったです。 (2015年7月13日 23時) (レス) id: 5d4b050560 (このIDを非表示/違反報告)
零玲飛(れいれと)(プロフ) - お疲れさまでした、面白かったです!宗近のじいちゃんが入手できないのが痛いですね。 (2015年7月10日 19時) (レス) id: 0bd3908221 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名: | 作成日時:2015年4月10日 14時

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