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生と死の境 ページ24

『ここは……?あぁ私、死んじゃったのか。』






目が覚めると、真っ暗で何もない場所にいた。一瞬で死を連想するのは当然といえば当然だろう。

だが、そこへ少し古い着物を着た女性がふっと現れた。





その人は、私によく似ていた。とは言っても私の髪はそんなさらさらストレートでは無いけど。






「いいえ、Aは死んでいません。ここは生と死の境ですよ。」





彼女は鈴のような心地よい音色で言葉を発する。お館様の声に少し似ているかもしれない。安らぐ声だ。








『あなた、もしかして麗?夢であなた記憶を見たことがあるわ。』




「そう、私は麗。鬼舞辻無惨が鬼となり数え切れぬほどの人を殺すようになってしまったのには、私にも責任があるのです。ですから、あなたの体に魂を宿らせました。」









『麗の代わりに、私が無惨を倒す……って言いたいところだけど、生憎もう右腕がないんだよね。もう十分に刀を振るうことも出来ない体になっちゃった。』









「それも存じています。ですが、どうかもう一度刀を握って下さい。Aが行かなければ、鬼舞辻無惨を倒すことは出来ない。」








『できることなら、私だって皆の役にもっと立ちたい。けどさ、私が居なくても、実弥や炭治郎達がいるから大丈夫だよ。』









「信じることは正しいでしょう。でも、私は何年もの間、ずっと鬼舞辻無惨を空から見てきたから分かるのです。」


「彼はもっと大きな力を秘めている、残った隊員だけでは正直厳しいでしょう。現に今戦える柱はいません、ほとんど皆意識を失っています。」





私はみんなを信じている。だから死ぬことも怖くなかった。

でも、その一言を聞いて、心臓がどくんと跳ねた



『そんなっ…………実弥は!?悲鳴嶼さん達も、殺られたの!?』









「…………それは自分の目で確かめて下さい。あなたの強さは、人を救うためにあるのでしょう?」


「私はもう何年も前に死んでいるので、戦いに加わることは出来ませんし、生前も剣術はさっぱりでした。そんな私が、偉そうに言えることなどありません。

ですが、どうか無惨様を……救って下さい……。」








麗の震えるような声に、覚悟が決まった。私は彼女を抱きしめた。





『……うん。必ず無惨を倒してくる。』




『行ってくるね』









「お気をつけて……」

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ゆりなんぽん - あぁもうハラハラします!せめて、夢主だけでも幸せになって! (2020年6月6日 18時) (レス) id: 3ac698d03c (このIDを非表示/違反報告)
日向鬼@低浮上(プロフ) - 好き好き好き好き好き好き好き好き好き((頑張ってください!最後二人には幸せになってもらいたい…!! (2020年6月1日 22時) (レス) id: 98b52071c9 (このIDを非表示/違反報告)
なな - もう!不死川くんキュンキュンしちゃうわ!(蜜璃ちゃん風)実弥の落ちが好きになる…! (2020年4月26日 9時) (レス) id: 0166b3d8d2 (このIDを非表示/違反報告)
なるは。(プロフ) - コメントありがとうございます!個々に返信できなくてすみません……でも本当に応援のコメントが励みになっているんです。もう感謝しかないです……これからもこの作品をよろしくお願いします! (2020年4月23日 19時) (レス) id: 091bffa261 (このIDを非表示/違反報告)
なな - 続編おめでとうございます!!とーってーっも面白いので、応援してます!! (2020年4月20日 14時) (レス) id: 0166b3d8d2 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:なるは。 | 作成日時:2020年4月16日 10時

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