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---side K
「キヨくんならね…なんでかな、怖いとか嫌だとかあんまり思わないんだ」
そう真っ直ぐな目で俺を見つめていうAさん。
その表情と、言葉を聞いて俺の心臓がキュウと絞られるような感覚になる。これからのことや彼女の安全を考えている思考のはしっこで(これがときめくってことか…)なんてどこか冷静に考えてしまう自分がいた。
俺ははぁ〜〜と大きなため息をついてAさんの両手をぎゅうと握る。
「もうさあ〜Aさん、ずっと思ってたんだけどさあ」
「ん？何？」
「………その無防備さはもう少し気をつけたほうがいいよ」
「えっ」
メンバー内で話が出たこともある。
女性の一人暮らしなんて、防犯面を気にして近隣に挨拶なんてしないのが普通だし。
Aさんは見た目だって可愛い。そりゃアイドルやモデルとは違ったとしても、その愛嬌のある性格とコロコロと変わる表情に好感を持たない男はそうそう居ないだろうこともわかる。
俺だって例外では無い。
いや、例外どころか俺がAさんに惹かれていることなんて、とっくの昔に自覚したことだ。今すぐにでも気持ちを伝えて「あんな暴力男辞めて俺を選んでほしい」と伝えてしまいたいくらいには彼女が好きだ。
けれど、こんな状況で、切羽詰まっている彼女をさらに混乱させることはしたくない。
まずは彼女を安全な場所で、守ることが先決だから。
「都会は結構危ないんだから」
「うう…ぐうの音も出ません」
これからは俺がそばで守っていきたい。守らせて欲しい。だけど、少しは自覚してもらえないと彼女自身が困るだろう。
そう思って言えば彼女もこてんと首を傾げ困ったように笑った。
けれどそのあと「でもそう考えると、本当にお隣がキヨくん達でよかった」なんて笑うもんだから俺はさらに彼女の手を握る自身の手に力を込めて
(……そういうとこな！！！)
と心の中で叫ぶのだった。
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お話の途中で作者が失礼いたします！
じわじわと評価やお気に入り登録してくださる方が増えていて嬉しい限りです！ありがとうございます！
お話はそろそろクライマックスを迎えますが現在考えているプロットから完全に話数が足りないことに気が付きました笑
続編としてもちろん続きは書きますがとんでもなく中途半端なところで後編に移行しますが、ご了承いただければと思います(；；)
よければ評価、お気に入りしていただけると嬉しいです！
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作者名：なちこ | 作成日時：2021年3月2日 4時
