【実況】私のスーパーヒーロー【ky】 (ページ28)

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---side K

彼女が全てを話してくれる間、その瞳からは彼女の今までこらえていた気持ちを吐き出させるかのように大粒の涙がぽろぽろとこぼれだした。

それでも彼女は話すことをやめず、もはや無意味だというのに泣いてなんていないとでも言うように嗚咽をこらえている。

大声で泣いたっていいのに。それでも彼女は静かに、ハラハラと涙を流した。

嗚咽すら零さず泣くことがどんなにつらいことだろうか。

「ごめん、全然気づけなくて」

隣に居たのに。少しの時間だとしても、会って、話をして、彼女の変化に気づいていたのに

俺がもっと早く気づいていたら。
もっと早く手を差し伸べていたのなら
彼女にこんな泣き方なんて、絶対にさせなかったのに

「ううん、キヨくんが謝ることじゃないから、大丈夫。ありがとう」

こんな時でさえ、君は笑う。
辛いはずなのに。苦しいはずなのに。他人を思って君は笑うんだ。

「俺が、助けるから」

だから、そんなふうに笑わないで

彼女の両頬を手で包み込んで、親指で目の端に溜まった涙を拭う
そしてそのまま彼女の長い髪を一房掬い、その綺麗な髪に口づけた。

「…え？」

「だからもう、泣かないで」

(ね、と声をかけられ頭を撫でられた。
それが心地よくて、私はようやく安心して息を吸うことができたのだ。)

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