009-01 ページ13
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「やってしまった……！！」
私の目の前には鍋から溢れんばかりのカレー。
暇な土曜日、普段はコンビニ弁当や外食、簡単な自炊しかしていなかったのでたまにはしっかり料理を作ろうなんて思ったのがそもそも間違いだった。
久しぶりにカレーが食べたいな、なんて思ったのもいけなかったのかもしれない。
スーパーへ行ったらじゃがいもが安くて大量に買ってしまい、それの消費のために最初は自分の分だけ作るはずだったのに、切りすぎた野菜とルーの割合が合うように合うようにと作っていたらいつの間にかこんな量になってしまったのだ。
これじゃあ小分けにして冷凍したとしても1週間は毎日カレーになってしまう…！！
でも捨てるなんて選択肢は微塵もない。
「…あ！そうだ！」
お隣さんにおすそ分けすればいいじゃん！男の人なら沢山食べてくれるだろうし、誰か居るかな…？
いやでも待てよ…？
今どき隣人に「ご飯作りすぎました〜」っておすそ分けするのって良くない…？
直接口に入るものだし敏感になるよね。田舎と違うんだし…でも思いの外みんなやってたりするのかな…？
ううーん
「も〜〜！実家じゃそれが普通だったし、寮だとそもそも皆でご飯だったから何が普通かわかんないよ〜！！」
しばらく頭をかかえ、うがー！と唸り倒していたのだけど、いくらここで一人頭を抱えたって出来上がってしまったカレーが無くなることはない。
ええい！ままよ！
キモいと思われたらその時はその時で仕方がない！
私は自分の食べる分だけのカレーを一回り小さな鍋に移し、元々の鍋を持ち玄関を出た。
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作者名：なちこ | 作成日時：2021年3月2日 4時
