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”恋愛に抵抗がある”
胸がドクンと鳴った気がした。
そして頭に浮かぶ彼の顔。
合コンの日、携帯の操作に不慣れな私を見て楽しそうに笑った表情。
悔しいけど、いつも不意に思い出すのは彼の笑顔だった。
深澤「わり、別に詮索するつもりはないよ。
何となくね。俺の直感」
ふふ、と笑ってまたピーナッツを口にする。
どこか勘の良い彼に初めて居心地の悪さを感じたかもしれない。
気遣ってるのかどうなのか分からないけどまたすぐにいつも通りの空気に戻り、今日は早めに帰っていった。
カラカラ
つけっぱなしにしていたテレビを切って、ビール片手にベランダに出る。
柵に手をかけて空を見上げると、やっぱり今日は天気が良かったからか星がいつもより綺麗に見えた。
左手に持っていたスマホを開く。
交換してから開いてなかった連絡先。
綺麗に広がる星空のホーム画面。
”俺、星見るの好きなんだよ。
嫌なこと全部忘れられるだろ?”
あの日、横で夜空を見上げながらそう言って笑った彼。
今でもその時の横顔が鮮明に思い出される。
一つ深呼吸をして目を閉じた。
暑い夏の香り。
校庭から聞こえる野球部の声。
屋上に広がる開放的な景色。
紙パックのコーヒー片手に気だるそうに空を見上げる彼。
何年も前のことなのに全部覚えてる。
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mamemiya(プロフ) - minさん» コメントありがとうございます。何回も読んで頂けるのはとても嬉しいです。引き続き宜しくお願いします。 (2022年9月25日 12時) (レス) id: 8b0826854e (このIDを非表示/違反報告)
min(プロフ) - はじめまして。康二くんのお話が大好きで何回も読ませて頂いてます。新作も楽しみにしています! (2022年9月25日 12時) (レス) @page7 id: 56b5a4720c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:mamemiya | 作成日時:2022年9月24日 9時