冷たい手-1-【紫】 (ページ47)

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「＿＿＿＿朝はごめんな。」

隣で釣りをする濱田さんが水面の浮きを見ながら突然言った。

「俺・・アホやから。
Aちゃんの気持ちとか考えんと・・
Aちゃん怒らせるようなこと言ってしまって。
・・・ほんま、ごめん。」

海から視線を私に移し本当に申し訳なさそうに謝る濱田さん。

『＿＿＿っ。
私の方こそ・・ごめんなさい。
あんな言い方してしまって・・
でも、望くんとはいい友達、というか、別に何もないので・・』

「そ、そうなんや・・」

『・・・・。』

再び濱田さんは海を見つめて黙ってしまった。

こんな時って何話せばいいんだっけ？
・・ていうか濱田さんとこうして二人きりで改めて話すのって最初の琵琶湖の時以来だし・・
(二回目のコンビニの時はあっという間だったし、昨日も結局二人だけでは話す機会はなかった)

『＿＿＿＿えっと・・濱田さんは仕事のお休みで沖縄に？』

「え？・・・・・あ、あぁ！そうか、Aちゃん知らんねや。笑」

『え？』

「俺、仕事で沖縄来てたんよ。・・昨日、撮影見てたんやろ？笑」

『・・・・え・撮影？・・・・あ、あぁ！昨日砂浜で撮影してた！
え、あ、そっか！濱田さんカメラマンさんとか？』

「え？笑
フッハハハハハ！
あかん！
Aちゃんめっちゃおもろい！！笑」

『？？？え？え？』

「はー。あかん。おもろい。」と言ってお腹を抱えて笑う濱田さんを見ながら
何がそんなに面白いのかわからない私は頭に？マークが浮かぶ。

「ちゃうやん。笑
俺、撮影される側。笑」

『・・・・・・え？えぇ？！
じゃ、じゃぁ、あの“ジャニーズ”って・・・？』

「そ。笑
“ジャニーズWEST”って言うグループ。
俺らもまだまだやなぁ～。笑
もっと知ってもらえるように頑張らなあかんな！」

『そうだったんですね・・
そうとは知らず・・ごめんなさい。
私テレビとかあんまり見なくて・・』

「ええの、ええの！笑
で、昨日撮影終わって3日間休みもらえたから望と照史と俺で沖縄残ったってわけ！」

『あ、じゃぁ望くんと照史くんも・・ジャニーズ？』

「そやで。笑
あと4人いてるんやけど、そいつらは仕事あるから東京帰った。笑」

「東京帰るときめっちゃ文句言ってたあいつら。」って笑いながら言う濱田さん。

今日はよく自分の話をしてくれる・・
琵琶湖で初めて会った時は私の話ばかりで、自分の話はほとんどしなかった濱田さん。

そんなちょっとした変化でも嬉しくて頬が緩む＿＿