chocolate...2【黄】 (ページ39)

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【Raul side...】

『うわー！すごく大きいですね！』

そう言われて気づいたけど、
この店長さんかなり小さい。笑

さっきショーケースの向こうにいた時は
気づかなかったけど、

なんかサイズ感まで可愛い人だな。

隣にいるめめもきっと
同じことを思ったんだろう。

ふふって笑ってる。

『あー、今2人とも
　この人ちっさ！って思ったでしょー？』

って言って怒った顔をしてる。
そんな表情も可愛くて胸がきゅっとした。

目「ふはははっ！
　ごめん。マジでそれ思った。」

ラ「僕も思いました。」

『やっぱりー！
　君たちが大きすぎるんだよ？』

目「いや、それもありますけど
　それでも小さいから。笑」

『えー！そうかなぁ？』

さっきあの男の店員さんに邪魔されて
あまり話せなかったから、
こうやって話してくれて
めめもすごく嬉しそう。

あ、きっとこの店長さん
それを分かってここまで来てくれたんだ。

って思ったら、
すごく素敵な店長さんだなって、
顔だけじゃなく性格にまで惹かれた。

『あ、そんな巨人なお2人に…
　もうすぐバレンタインなので。
　これどうぞ。』

そう言って店長さんがポケットから
取り出したのは、
可愛くラッピングされた焼き菓子だった。

ラ「え、いいんですか？」

『はい！大きいお2人には
　足りないかもですが。笑

　ハッピーバレンタイン！』

ラ「あ、ありがとうございます！」

目「ありがとう。」

『いえいえ。
　またぜひお越しくださいね。』

ラ「はい！
　また絶対来ます！」

目「俺も、必ず来ます。」

『ふふふっ
　お待ちしております。』

店を出て振り返ると、
こっちに気がついて
ガラス越しに手を振ってくれてる店長さん。

思いっきり手を振り返した。

ラ「いやー、めちゃくちゃいい店長さんだったね！
　可愛かったし！」

目「うん。良かった。」

ラ「ね。
　岩本くん近いからいいなぁー…

　あ！ねぇ、もしかして
　岩本くんがここの常連さんだとしたら
　あの店長さんとも顔見知り？かもね！」

目「あー、確かに…」

さっきからめめの返事が上の空なのは

きっとめめの頭の中は今、

あの店長さんでいっぱいだから。笑

めめがこんなに本気なら、
僕は応援するよ。

僕のこの恋心はそっと仕舞うことにした。

めめの恋がうまくいきますように…