chocolate...2【黄】 (ページ15)

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sweet...62 ページ15

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午後９時

待ち合わせ場所についた。

さすが金曜日で
クリスマスイヴということもあって、

まだまだ人はたくさんいた。

こんなにたくさん人がいて
照は大丈夫だろうか、、、

なんて心配をしつつも、

目の前を幸せそうに
手を繋いで歩くカップルたちを見ると

こっちまで幸せな気分になった。

『ケーキ、大丈夫かな？』

道の端の方に座って
照を待つ。

『寒っ、、、
　もっとちゃんと着込んでくれば良かった。』

可愛さを重視してしまい、
防寒をそんなにしてこなかった
自分を恨んだ。

でも、照に可愛いって
思ってほしいから、、、

ケーキとプレゼントを
潰れないように抱きしめて、
ひたすら待った。

午後10時

1時間が経った。

「仕事終わった」の連絡があってから、
照からの連絡はまだない。

ちょっと早く来すぎちゃったかな、、、

完全に体は冷えきってしまった。

でもこうやって待ってる時間も
私には今まで無かったことだから、
新鮮で、それさえも楽しく感じた。

でも、、、

それからまた1時間が経った。

午後11時

さすがに心配になって、
電話を何回かかけたけど
繋がらない。

人もまばらになってきた。

どこか店に入って待ってようかとも
考えたけど、

そう思った頃には
もう遅く、、、どこも閉店してしまってる。

ガタガタと震える体を
必死に抱きしめて堪えてたけど、

もう感覚も無くなってしまってる。

『あ、、、』

体に力を入れすぎて
抱えていた、
ケーキの包装も、プレゼントのラッピングも
クシャクシャになってしまった。

通り過ぎていくカップルたちが

私をみて哀れんだり、
笑ったりしてるように思えてきた。

『なんか惨めだな、、、』

そんな私にさらに追い討ちをかけたのが、

『え、、、雪？』

時刻は日付を回ろうとしていた頃に、

雪が降り始めた。

手袋もしていない私の手は
真っ赤になっていた。

このままだと、
仕事に支障が出そう。

『、、、帰ろ。』

照に『帰ります。』とだけ
LINEを送って、
帰ることにした。

きっと何かあったんだろう。
しょうがない。
こんな時だってある。

そう言いきかせて、雪空の中、
歩いて店に帰った。

鍵を開けて入ると

『、、、あれ？』

元「あ、おかえり。」

ハジメがまだ厨房にいた。