17話《ご飯》 ページ21
〜紅明side〜
そんな昔を思い出していると、もう空は暗くなっていた。
そういや、楓さんは今どうしているのでしょう? かれこれ8年くらいは経ちますが……
『紅明〜』
……部屋になんとAがいた。え? なになに? ノックは?
明「……なんでしょう?」
『なに考えてたの〜? ノック音にも気づかないなんて』
…ノックはしてたんですね。
明「……返事してないのによく入ってきましたね?」
それはそれでダメではないか?
『……あははー…ヤベ』
明「正座なさい」
『なぜ!?』
明「はやく」
『……はい』
それから私は一時間にわたる説教をしました。終わった頃にはAは死んだ目をしていて……少し面白かったです。
『……そういや結局なに考えてたの〜?』
明「……昔ですよ」
そう言うと少し暗い顔をしたA。
『……そっか。どの辺の?』
明「……貴方と出会った時ですよ」
『ふ〜ん』
興味なさげに返事するA。
『僕は紅明と出会えて良かったよ〜』
明「!」
その言葉には少し驚いた私。
明「……私もですよ」
『そういや……昔といえば楓まだ帰ってきてないなあ……生きてるのかしら?』
……そりゃあ生きてるでしょう。
『……ま、近々帰ってくるか』
なぜそんなことが思えるのでしょうか? もしかしたら一年先かもしれないのに…そのうちではなく、近々と……
明「……そういや、なぜここに来たのです?」
『ああ……ご飯、食べてないでしょ?』
明「あ……」
『……もうなくなってるだろうから…作ってあげる!』
明「え……」
『確かご飯は小麦からできてるんだよねー?』
明「い、いえ! 米からできてます! 小麦はパンですよ!」
『……あ、そっか! だったら今からお米作らないと』
あ…私、分かりました。
Aに料理をさせてはならないと。
明「りょ、料理は大丈夫ですよ、お腹空いてないんで!」
『ダメだよ! ご飯食べなきゃ戦ができない!』
私、策士なんです。戦にはほとんど行きません!!
明「本当大丈夫ですから! さぁ、貴方はもう寝なさい!」
『……はーい…じゃ、おやすみ〜』
明「おやすみなさい」
素直にAは帰ってくれた。
以後も気をつけなくては。Aの料理には。
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Kapiくる(プロフ) - キロルさん» 神だなんて……! 私はただの人間ですよ! はい、ありがとうございます! 以後も更新頑張りますね! (2016年5月18日 15時) (レス) id: f29b69fec7 (このIDを非表示/違反報告)
キロル - コメント、失礼します!こーんな夢小説作れるなんて、貴方様は神なのですか!?((いや、神ですね!!更新は、自分のペースで頑張ってください♪ (2016年4月24日 21時) (レス) id: 2ac911ddfa (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:kapiくる | 作成日時:2016年3月7日 22時