〔 銀魂 〕シェアハウス、はじめます

Ep.34 ページ34

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こんな楽しい休暇中に銀時さんと会うなんて。そんなことはすぐにどうでも良くなった。問題はなぜこの人物がこんな仰々しい撮影クルーに囲まれ、こんな俳優のように歓声を浴びているのか。疑問は次から次へと湧き上がるが、周囲とは違う反応をみせる私に、興奮気味の友達の言葉は混乱のトドメを刺す。


「A知らないの！？あのイケメン超売れっ子作家！」
「吉田松陰だよ！」


吉田松陰？吉田松陰といえば高校現役で4部門受賞したことのある若くして大物の小説家で今度映画化が決まってる紅桜とか多くの人気作品残してるあの___



「吉田松陰！？」



呆然と立ち尽くす私の反応が面白かったのか、まだ信じられないけど吉田松陰...基銀時さんはにやにやといつもの人をおちょくる表情で近づいてくる。



「なんだよそのツラ」



私に気づいた銀時さんとか、その光景を見てびっくりしている周囲とか、もはやどうでも良い。
あの人気作家が、あの私が唯一読み続けていた小説たちの作家がこの....


「Aが芸能とか興味ないって本当だったんだね」
「ここまで一緒にいて気づかないとか一種の病気だな」


驚きは更にショックへと。
どこからか湧いたのか焼きとうもろこしを頬張る神威君にかき氷にがっつく総悟くん。



「A！一緒にいるってなに！ていうかこのイケメンたちはなに！！」



がっついてくるのは友達もだ。質問攻めと追いつかない状況に思考はショート寸前で。

あぁ、お母さん。私の静かできらめく夏休みはどこに行ったんでしょうか...。



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