Ep.11 ページ11
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暖かい日差しが教室に差し込み、
丁度いい温度に眠気を誘われる。
保育園には園児達の元気な声が響き、シェアハウスでの疲れがどこかに飛んで行きそうだ。
「 Aせんせ!お砂場いこ!」
「 ちがうよ!Aせんせいは私たちと遊ぶんだよ! 」
「 喧嘩しないで。先生はみんなで一緒に遊びたいな 」
しゃがみ、にっこりと微笑めば素直に仲直りをする子供達。
みんなでできる遊びを考える様子を眺めていると、頭上から同僚保育士の呼ぶ声。
「 A先生、園長先生が呼んでる 」
「 あ、はい!今行きます 」
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声を掛け、開けた園長室には園長と青い制服を着た男性。
POLICEの文字が刻まれたベストを着るその人はとても見覚えがある。
「 あ... 」
「 ひじ...かた..さん...? 」
お互い拍子抜けな顔。
先に状況を悟ったのは土方さんだった。
「 そういや保育士だったな 」
「 警察官だなんて私は初耳ですけどね...」
「 言ってなかったか? 」
これで生活リズムが不規則な彼の謎が解ける。
好奇心旺盛な心はスッキリするが、それにしても似合いすぎる制服。思わずじろじろと見渡せば、園長が口を開く。
「 なんだかよく分からないけど、二人はお知り合い? 」
「 はい、シェア__ 」
園長先生の優しい口調に乗せられそうになったが、寸前で口を塞ぐ。
成人しているとは言え保育士が男5人とシェアハウスとは如何なものか。
「 えぇっと、その...」
「 恋人です 」
取り繕う私に代わり自然に回答する土方さん。
助かったと胸を撫で下ろすが、時間差で驚く声が響くと共にその人を二度見せざるを得なかった。
「 ちょ、ちが... 」
「 今回はこいつの情報を聞きに来たんだ 」
園長は「おやおや」とまるで青春真っ盛りな男女を見る視線。
否定しようとする前に土方さんは話を本題に戻す。
それと共に出された紙。
内容はよくある不審者の特徴と情報が書かれた紙。
「 うーん、今のところは見たことありません 」
「 保育園周辺で目撃情報多発...春先は何かと物騒ですね 」
「 狙いは子供だけじゃない。こう言った輩は女の多い職場を狙うケースも多い 」
ピシャリとクールに仕事モードになる土方さん。
この体格に目付き、頼りがいは十分すぎる程あるけれど。
「 まぁ何かあったら連絡くれ 」
「 あっ、はい。よろしくお願いします 」
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S(プロフ) - めちゃんこ好きです!更新待ってます! (8月11日 14時) (レス) @page37 id: cc16e6db3c (このIDを非表示/違反報告)
春風 - 更新ありがとうございます!とっても嬉しいです!これからも楽しみにしています! (2022年11月30日 15時) (レス) id: 1ece860df7 (このIDを非表示/違反報告)
ツバサ(プロフ) - 更新待ってました…!すごい嬉しいです!銀さん作家だったんだと驚きでいっぱいです!あと文章の書き方がとてつもなく好きです、ありがとうございます! (2022年11月28日 8時) (レス) id: 1052176700 (このIDを非表示/違反報告)
むぎ - このお話大好きです…!更新待ってます! (2022年4月4日 18時) (レス) @page31 id: fc9ca49c49 (このIDを非表示/違反報告)
粥 - 何回見ても、ストーリー面白いし好きです!更新されること願ってます!!!! (2022年1月6日 23時) (レス) @page31 id: b23a2b20e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:□白澤□ | 作成日時:2020年12月1日 12時