伯爵家は今日も騒がしい！４【オリジナル】

四話 好きな人って誰？ ページ4

そしてやってきた休憩時間。給湯室にはアルバート様とグレンさんに加え、案の定クラリス様がやってきた。

「あら、いつからグレンが加わるようになったの？」
「夏季休暇が終わった頃からかな。こいつボードゲーム強いんだよ」
「……強そうよね。ってそうじゃないの。今日はゲームじゃなくて」

クラリス様はキラキラと目を輝かせて私を見る。

「で、ソフィアの好きな人って誰？」

途端、顔に熱が集まる。な、なにを急に言い出すんだこのお嬢様は。グレンさんだっているのに……！

「な、何言ってるんですか。そんな人、いません」
「へ〜そんな顔して言っても説得力ないんだけど〜。で、誰？誰？エヴァンとか？」
「ちょ、ちょっとこっち来てください」

私は思わずクラリス様を給湯室の外に連れ出す。本人のいる前で下手にバレたくない、絶対に。

「いいですか、クラリス様。これは女友達同士の『恋バナ』です。男子禁制の秘密の話です。ですから、あの場で話すわけには……」
「友達……！『恋バナ』……！！ええ、そうね！わたしが浅慮だったわ！じゃあ今からわたしの部屋で話しましょう！うふふ、楽しみね」

たいそう嬉しそうにクラリス様は笑っている。よかった、これで余計なボロは出さずに済んだ。クラリス様には、まあ、話そうとは思っていたし(手紙じゃ恥ずかしかったけど)……これで対等にルイス様との話も聞けるわけだし。

「ごめんなさい。わたしたち、女友達同士の秘密のお話するから！二人は二人で楽しんで！じゃあね！」
「あ、おい、姉さん！くそ、また姉さんがソフィア連れていきやがった！」

それから私はグイグイと引っ張られるように、クラリス様の部屋へと向かった。

五話 クラリス様とエヴァンくん→←三話 久しぶりの再会

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