十二話 ダンスのお誘い ページ12
母のところに戻り、私は兄から花を受け取った。母の花壇で育てていた桃色の花のようだ。
「いちばん長持ちしそうなやつを持ってきたんだぞ」
「お兄ちゃん、そういうのわかるの？」
「いや、わからん。勘だ。でも、どうせ渡すなら、たった一輪でも長く咲いてるやつの方がいいだろ」
「うん……まあ、ありがとう」
そんな会話をする私たちを見て、母は不思議そうに尋ねた。
「あんたたち、もうダンスは終わりにするのかい？いつも遅くまで残っているのに」
「ああ。母さんが心配だし」
「わたしのことは放っておいていいよ。せっかくのお祭りなんだから踊ってきなさいな」
「それに、ソフィーを他の男と踊らせたくないし……」
「はあ？何馬鹿なこと言ってるんだい。いい加減、妹離れしなさい。だいたい、あんたは……」
(あーあ。お兄ちゃん、やっぱりお母さんに怒られてる)
あんなろくでもない事を考えるからだ。兄はぶつぶつと言い訳を繰り返している。
二人の会話を聞きながら、ぼんやりと踊っている人達を眺めた。笑い会う人々を見ると、どうにも頭から離れない。彼はここにいないのだから、どんなに踊っても満たされないだろう。きっと虚しさと寂しさが増すだけだ。
そんなことを考えていると、瞬間、目の前に見知らぬ人が現れ、こちらの顔を覗き込むように見つめていた。
「……やっと見つけた」
「え？」
「こんばんは、お姉さん。ボクといっしょに踊ってくれませんか」
急に現れた人物と、差し出された手に困惑する。顔はよく見えないが、背丈は私よりほんの少し高めで、細身だった。
こちらに気づいた兄が駆け寄ろうとして、母に引き止められている。母は『行っておいで』というように手を振っていた。
「さあ、行きましょう。もう曲が始まってしまう」
「え、あの、ちょっと」
私の返事も聞かずに、強引に手を引かれた。
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お芋(プロフ) - しぇるふぃあ。((芦原晴))さん» わー！！再びコメントありがとうございます……！！そうなんです。彼は不器用なんで……ほんと！！(言葉にならない)そして、そうです！私自身彼らが大好きなのでもう少しだけ、騒がしい彼らの様子を書けたらな〜と思っております！お楽しみに！ (2020年2月27日 23時) (
レス) id: 105c0e2da2 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。((芦原晴))(プロフ) - 本編は…ということは番外編や後日談が更新されるという解釈で合っていますか？楽しみすぎます…！！ (2020年2月27日 23時) (レス) id: a3aac3bf63 (このIDを非表示/違反報告)
しぇるふぃあ。((芦原晴))(プロフ) - タイトル回収されてドキドキしました…ソフィアちゃんの告白が成功して思わず「やったー！」と喜んでしまいました( ´∀｀)やっぱり両片想いだったんですね！一緒に働き続けたいがためにちょっと面倒くさくなってしまうグレンさんかわいくて大好きです！(続きます (2020年2月27日 23時) (レス) id: a3aac3bf63 (このIDを非表示/違反報告)
お芋(プロフ) - わさん» コメント、感想ありがとうございます！本編は完結しましたが、もう少しだけ続くので楽しんでいただけると幸いです(*^^*) (2020年2月27日 22時) (レス) id: 105c0e2da2 (このIDを非表示/違反報告)
わ - 早く続きがみたいです！！すごく楽しみにしています！ (2020年2月27日 3時) (レス) id: 6d2dda4d98 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：お芋 | 作成日時：2020年1月14日 21時
