#503 ページ27
『君がやった事とは言え、見ず知らずの男達に追い回されたのは俺に原因がある。一言謝っておきたくてな』
「……チッ！」
「え……ええっと……??」
安室さんはややあって私に携帯を差し出した。表情が明らかに乗り気でない。それでも画面をチラリと見るとちゃっかりスピーカーモードになっていた。どうしたもんか？？
「……も、もしも〜し」
『大丈夫か？』
「えっまあ、はい」
一言目がそれかい。私の安否ってそんなに聞きたいような事？
なんでわざわざ通話――と思ったけど、安室さんにこの会話を聞かせて顔見知りだって実感させたかったのかな。一緒に住んでるとか、現在進行形の作戦とかの具体的な話は抜きにして。
「というか、そっちこそ大丈夫ですか？拳銃とか発砲とか物騒なワード聞こえてましたけど」
『ああ、問題は無い……余計な心配をかけたな』
「今安心出来たのでチャラにしてあげましょう」
安室さんはポカーンと呆気に取られた表情だ。
秀さんとの何気ない会話、そんなに不思議かな？
『心配の他にも……また嫌な思いをさせただろう』
「――ふふ、そうでしたっけ？」
電話口でも少しだけシュンとした声色なのが分かって、そんな状況じゃないのに思わず笑い声が漏れる。
「ずっと私のことを守ろうと動いてた……証人保護プログラムの事だってそうでしょう？だからそんな申し訳なさそうに話す事なんてありません」
変装してた事に気づいた時も、この作戦が始まる時も。秀さんは私の安全を常に考えてくれていた。でもそれを突っぱねたのは私のワガママ。
「前も言った気がしますけど――今ここに私がいるのは、全部私が自分で決めたから。そりゃ色々起こりはするけど、後悔なんてしてませんよ！」
そう、後悔なんかひとかけらだってない。
ただ守られるばっかりじゃなくて、少しでも役に立ちたいって思ってるだけ。
「だからこれからもよろしくお願いします……ね、秀さんっ！」
『――ああ、了解した』
穏やかな秀さんの言葉を最後に、携帯を安室さんの手に置いた。
「と、いう感じなので……電話が終わったら帰って貰ってもいいですか？お客さんとしてお茶の続きをするにはなんか物騒な話が多かったですし」
「え、ええ……」
有無を言わさない私の笑顔に、少したじろぎながら返事が返ってきた。
(赤井がこんな会話を……やはりこの少女、分からない……)
(あ、晩御飯何にしよう……簡単に食べられるおにぎりとか？)
2023/06/11
気づいたら時間飛んでやがる
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色 - すっごく!!面白いッス!!!それにこんなに長く続けてくれている方は初めてで長く楽しめるのが嬉しいッス!!!主人公ちゃんの秘密とかすごい気になるし、このくっついてそうでくっついてないところとか、すげえキュンキュンくるッス!!!俺、感動ぅ(´；ω；｀)って感じッス!! (8月2日 21時) (
レス) @page34 id: 9c759aa54d (このIDを非表示/違反報告)
さくら（ふぶきち）(プロフ) - 夢さん» 思い出して貰えてとても嬉しいです……更新頻度も展開も未だ亀ペースでホントに申し訳ない……また遊びに来て下さい！ (2023年5月5日 0時) (レス) id: 8478d38e5a (このIDを非表示/違反報告)
夢 - コナンくんの映画を見てこの夢小説をまた読みたくなって一気読みしましたwこれで10週目くらいです…毎度毎度きゅんきゅんが止まりません！！！更新無理なさらず頑張ってくださいね！ (2023年4月21日 7時) (レス) @page25 id: 4569fd3783 (このIDを非表示/違反報告)
さくら（ふぶきち）(プロフ) - ユナ＠前垢消えたさん» 一気見お疲れ様です。そして嬉しいです、ありがとうございます。 (2023年4月20日 21時) (レス) id: 82d53c230a (このIDを非表示/違反報告)
さくら（ふぶきち）(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます。私としても、大変光栄なコメントありがたく感じています。今後も更新頑張っていきますね。 (2023年4月20日 21時) (レス) id: 82d53c230a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら
| 作成日時：2022年5月29日 0時
