#502 ページ26
「(あ――)」
テレビ中継に耳を傾けようか、それとも電話の方に聞き耳を立てようか迷っていると、微かに聞こえた声音に意識が引っ張られる。
「(秀さんの声！)」
「あ……赤井……ッ‼︎」
例え通話の声が気のせいだったとしても、安室さんが目を見張りながら呟いた姿は明らかだった。
片手を胸の上で握りしめ、固唾を飲んで見つめる。
「(……)」
そして安室もまた、赤井の次の言葉に息を詰まらせていた。
――
『“ゼロ”とあだ名される名前は数少ない……彼女、それにボウヤにも明かしたのは失敗だったな？降谷零君』
「!!」
正体を暴かれた事と、奴の方から「彼女」と言及した事。自分が衝撃を受けたのはどちらだったのか。無意識に走らせた視線の先には、不意をつかれたように肩を跳ねさせる少女の姿があった。
「何故、貴様が彼女を――Aさんの持つ情報を」
『偶然縁があってね。少なからず接触する事もあった。といってもきっかけは……曲がり角でぶつかったようなものだが』
「な、にをふざけた事を……！」
『これ以上教える必要が、今の君にあるのかな？』
「っ、」
自分の本名も正体も知られた今となっては、形成は完全に逆転したと言っていい。もはやこの邸宅を仲間と取り囲む理由も、二人に正体を迫る意味もなかった。
『俺が生きている事を知っているのは事実だが、他の情報を聞こうとしても無駄だ……彼女は既にこちら側の領域にいる。身の安全を考えるなら、これ以上追い回すのは止めてもらおうか』
こちら側――FBIの事だろう。
組織の目から匿い、安全に暮らせるようにと動いてはいたが、現状既にFBIの庇護下にあるなら公安が動くのは逆効果……という事か。
出まかせでない事は、赤井の僅かに低くなった声色からも分かった。
「……分かった。但し彼女の身に危険が及ぶようなら、我々公安にも考えがあるからな」
『ああ、肝に銘じておくよ』
再度彼女を見ながら、強く念を押す。
何を話しているのかいまいち把握していない彼女は、自分が見られていることに対し心底不思議そうな顔をしながら首を傾げていた。
『よし――最後にそいつに代わってくれ』
「はあっ!?」
「……ん？」
目を見開いて自分を見る安室に対し、Aは半信半疑でソロソロと自分を指さした。
(もしや私に代われとか言ってます??なんで???)
2023/06/11
気づいたら時間飛んでやがる
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色 - すっごく!!面白いッス!!!それにこんなに長く続けてくれている方は初めてで長く楽しめるのが嬉しいッス!!!主人公ちゃんの秘密とかすごい気になるし、このくっついてそうでくっついてないところとか、すげえキュンキュンくるッス!!!俺、感動ぅ(´；ω；｀)って感じッス!! (8月2日 21時) (
レス) @page34 id: 9c759aa54d (このIDを非表示/違反報告)
さくら（ふぶきち）(プロフ) - 夢さん» 思い出して貰えてとても嬉しいです……更新頻度も展開も未だ亀ペースでホントに申し訳ない……また遊びに来て下さい！ (2023年5月5日 0時) (レス) id: 8478d38e5a (このIDを非表示/違反報告)
夢 - コナンくんの映画を見てこの夢小説をまた読みたくなって一気読みしましたwこれで10週目くらいです…毎度毎度きゅんきゅんが止まりません！！！更新無理なさらず頑張ってくださいね！ (2023年4月21日 7時) (レス) @page25 id: 4569fd3783 (このIDを非表示/違反報告)
さくら（ふぶきち）(プロフ) - ユナ＠前垢消えたさん» 一気見お疲れ様です。そして嬉しいです、ありがとうございます。 (2023年4月20日 21時) (レス) id: 82d53c230a (このIDを非表示/違反報告)
さくら（ふぶきち）(プロフ) - 紅葉さん» ありがとうございます。私としても、大変光栄なコメントありがたく感じています。今後も更新頑張っていきますね。 (2023年4月20日 21時) (レス) id: 82d53c230a (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さくら
| 作成日時：2022年5月29日 0時
