【名探偵コナン】最強狙撃手決定戦とか聞いてない【ギャグ/赤井秀一】

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【この後、ガキンチョ達とベルツリーに行こうって話してるんだけど、Aも来る？狙撃される心配もないし、気晴らしになるかもよん♪】

「ええ……(困惑)」


　おっといけない思わず眉間に皺が寄っちゃった。つい数日前に人が死んだ現場だってこと、もはやお忘れでは？？それに確か今のベルツリータワーって修復作業で閉業中じゃなかったっけ？？そこを貸し切るとは流石鈴木財閥、やることがデカい。


「A。悪いが一旦目的地を変えるぞ」
「？」


　断りの返信をしようと思った瞬間、昴さんが大きくハンドルを切った。


「そりゃ構いませんけど、一体何処に？」
「まだ確証はないが──次の狙撃地点、だな」
「エ！？」


(突然の進展！？まさか未来予知ッ！？)
(……せめて推理か推測と言ってくれないか)
──

「恐らく、犯人はケビン・ヨシノだ」
「誰ェ……？」
「資料に載ってる。グローブボックスから出してみろ」


　言われるがまま目の前のグローブボックスを開くと、中にはタブレットと捜査資料の束が入れられていた。紙の束を取り出して、思い当たるページをパラパラとめくる。


「うわ〜屈強そうなガタイしてらっしゃる……」
「ヤツは生粋の狙撃手ではないからな。照準器を使ったのも頷ける」
「ちょっ待ってください！この資料には、ハンターに命を救われた過去があるって……でもハンターも狙撃で殺されてます。命の恩人を殺したって言うんですか！？」
「そういう計画だったんだろう」
「……！」


　その事実に目を見開くAの表情からは、信じられない、という感情が見て取れた。


「……ハンターは、自分が死ぬ事で捜査が撹乱されるよう仕向けたようだな。よほど復讐相手を殺したかったらしい」
「この連続殺人がハンターさんの復讐ってことは最初から予想されてましたけど、まさか自分の命すら復讐の材料にするなんて……」


　眉根を寄せながら資料を見つめる。復讐で確定だから、次に狙われるのが誰なのかもすぐ分かった。


「そんな悲しい事……絶対に阻止しないと！」


(なら犯人と狙いがわかった所で謎解きといくか)
(もっちろん、望むところです！！)
──

「……この辺りか。停めるぞ」
「わ〜、綺麗なライトアップ」


　通りの路肩でピタリと停車する。夜空の中で赤、紫、青と輝くベルツリータワーがよく見えた。


「よし。タブレット、出せるか」
「あっはい！」


　ヒョイとそれを受け取った昴さんが地図アプリを立ち上げる。私は昴さんの方に身を寄せた。


(……おいA、見たいなら口で言えばいい。脚に障るぞ)
(えへ、はあい)

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