十話 ページ12
竜胆 side
俺は兄貴と新宿に来ていた
理由は、小夜が気になっていた化粧品を買うため
化粧品って色とかめっちゃあるし、似たようなのばっかだから
小夜が選んだほうが失敗しないんだろうけど、あいにく小夜は俺よりダチをとった
まぁせっかくだし、サプライズプレゼントにするかということで、
化粧品を買うのに慣れてる兄貴を伴って池袋にきた
「つーかなんで池袋?このブランド東京なら割とどこででも売ってんぞ?」
「池袋が本店なんだよ」
「なに、本店にしか売ってないてきな?」
「、、、おう」
目をそらした俺に兄貴はふっと笑う
「竜胆、小夜ちゃんが欲しがってるの支店でも売ってる定番アイシャドウだけど」
兄貴の全部お見通しみたいな余裕のある感じ嫌い
「小夜ちゃんが池袋にいるからってわざわざ敵拠点ど真ん中に行くかよ
しかもおとといも会ってんじゃん」
「んで知ってんだよ」
別におとといは普通に水族館デートしただけだよ。
兄気に言ったらぜってぇからかわれるうえに、下っ端使って尾行させ
そうだから兄貴には言わねぇようにしてるのに、なんか毎回ばれてるんだよな。
水族館なんて柄じゃねぇのは百も承知だけど、小夜と付き合ってからは幾度と似合わねぇことしてる。
でも、小夜が笑ってるの見るとどうでもよくなる。
惚れた弱みってやつか、
ま、悪い気分でもないけど
デパートの化粧品ブースには何回か足を運んだことはあったけれど、おおかた小夜が選んだり試作してもらうときも横にいるだけ。
改めてみると大の男二人が昼間のデパートに堂々と、、、しかも兄ちゃんに至ってはタトゥー見えてるし。
「場違い感半端ねぇんだけど」
「今更じゃね?、真昼間に池袋歩くなんざ、俺らもちょっと意識高い不良に見えてるって」
「そう見えないから言ってんだよ」
意識高いは置いといて、兄貴がそこらの不良の枠に収まるなら、とっくに巡回警備員に声かけられてるわ
「じゃあ何〜、買うのやめんの」
「買う」
「つか周りとか気にする玉かよ、人に見られるとか慣れてるだろ俺らは」
「そうだけど、」
「しっかし俺らの界隈はしょっちゅう抗争が起こりそうなくらい殺伐とし
てんのに、堅気はのんきなもんだな」
今寄っているデパートの最上階は北海道物産展が開かれているらしい
そのせいか、なんとなく人が多いような気もする
「買ってく?上で」
「ぜってぇいや」
主婦か。
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作者名:sss | 作成日時:2022年7月19日 11時