梵天に仕えるメイドは生理中らしい。【灰谷蘭】

〖22〗 ページ25

蘭さんのスマホに通知が来る。
　

「にん…仕事行ってくる」


『いってらしゃい』


「最後まで言って」


『ご、ご主人様…』


「ん、いい子。」



恥ずかしい…

蘭さんに向かって

ご主人様だなんて……

蘭さんの手はドアに触れる。


「あ、掃除よろしくね」


『………』


ここ、自分の家

not、貴方の家。


自分の家を掃除するのが

仕事じゃないのに…


まぁ、適当に拭き掃除でもするか。



床、机、棚を整理する。

その後、濡れ雑巾で拭く。


「にゃっ」

クロちゃんの声がする。



…蘭さんは居ない。


『にゃぁぁ？』


「…」


クロちゃんは向こうの部屋へ移動する。

多分飼い猫に引かれた


掃除を続ける。


…悲しくないからね

猫に引かれたって。


掃除が終わったら、お昼ご飯を作る。

そういえば

蘭さんいつ帰ってくるんだ？


スマホを開いて、「Aの結婚相手」へLINEする。

ふざけた名前。


蘭さん、いつ帰るの?


すぐに返信が来る。

Aの結婚相手そんなに蘭さんに会いたい?

違う


…バカは蘭さんです

Aの結婚相手多分6時には。

ろ、六時かぁ…

…ん？

だめだめ。

蘭さんに会いたいとか考えちゃ。

〖23〗→←〖21〗

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す