【文スト】大人びている少女、武装探偵社にて奮闘中

十一話 人生万事塞翁が虎 ページ13

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証言を終えた敦は、続きを話し始める

敦「施設を追い出されたニ週間前から何度も彼奴の影を見た…きっと僕を追って街まで降りてきたんだ」

太宰「その虎を最後に見たのはいつの話だい？」

何時もの事乍ら、矢張り情報収集は、太宰が適任だとAは感じていた

敦「鶴見の辺りで彼奴を見たのが、確か四日前です」

国木田「確かに虎の被害はニ週間前からこっちに集中しているな。四日前に鶴見の辺りで虎の目撃情報もある」

それを聞いた太宰は、何かを考える素振りを見せたが、直ぐに敦に問いかける

太宰「敦君これから暇〜？」

その言葉に敦は

敦「えっ？！」

冷や汗を流し、肩を跳ねさせる、そして

敦(なんか、猛烈に嫌な予感がする…)

彼の感は良く当たる様で

太宰「君が虎に狙われているなら好都合だ」

それを聞いた敦は

敦「は？」

と、“何だこいつ？”という様な声を出した。そして敦の感の通りに

太宰「虎探しを手伝ってくれ給え」

敦「嫌ですよ！」

間髪を入れずに即答した。が、太宰は敦の言葉を無視して、メモに何かを書き、国木田を渡す

太宰「国木田君は社に戻ってこのメモを社長に」

それを聞いた国木田は

国木田「おい、二人だけで捕まえる気か？先ずは情報の裏を取って…」

しかし太宰は、国木田の言葉を制し

太宰「いいから」

そして、国木田は渋々、太宰からメモを受け取った

太宰「後、Aちゃんも虎探しに参加してもらうよ！」

A「はい、元からその心算です」

国木田「おい！Aも勝手に！」

A「大丈夫ですよ。これでも探偵社員なんですから」

国木田「はぁ…分かった、気をつけろよ。怪我でもしたら、怒られるのはお前なんだからな」

A「はい、ありがとうございます」

此方で話を片付けていると

敦「僕は嫌ですからね！それってつまり餌って事じゃないですか！誰がそんな！」

だが二人は、その言葉を聞き流し

A「報酬が出ますよ？」

敦はAのその言葉に固まった

【現在ーーー無一文】

二人はそれを見越して、敦を釣る為の手を用意していた。何時もの事ながら、この二人は人の先を読んでいる、この二人は探偵社の中でも、敵に回してはいけない人物なのである

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