SPARC

タイミング（m） ページ48

｛裕ちゃん？｝

繋いだ手をキュッと強く握るのが
返事らしい…

どうしたら
その唇噛むの止めるかな？

｛裕ちゃん……唇……傷付くよ？｝

［傷付いたのは…ミツだよ…俺はね…傷付けた方……唇なんてどーでもいいんだよ！］

｛そんなこと言ってると……宮田！キスしまーす！｝

［はぁ？！お前！バカ？！それとも俺のことバカにしてんの？！］

繋いだ手を
かなり乱暴にほどかれた
もう…そりゃ…投げつけるみたいに

不器用でごめんね……

でもさ！こうやって喋ってれば
裕ちゃんは
唇噛んで
自分を傷付けるなんてしないでしょ？


部屋の鍵を開けて
顎で入れって合図された

｛おじゃましまーす………｝

扉が閉まった途端

［俺の部屋なんだから他に誰もいないし！それに！皆の前で｛裕ちゃん｝って呼ぶな！］

｛あ！………うん。ごめん。｝

［………宮田はいつも…そーやって不器用ぶって……ホントにやんなる！ばーか！！！］

叱られた………

うぅ…ごめんなさい……思わずうなだれる…

｛別に不器用ぶってるんじゃないよ………ホントにやんなるくらい気が利かないなって…自分でも思うよ………ごめん………｝

［………もう…いいよぅ……こっちこそごめん………ただの八つ当たり。………ニカは…ミツの変化に早くから気付いて気にしてた………俺……今回のことで……やっと。…なんもわかってない癖に…ミツを追い詰めて………結局…ニカも、ミツも、傷付けて……横尾さんまで泣いちゃって………］

｛……タマが悪い訳じゃないと思うよ？｝


［………俊哉のバカ！何で｛裕ちゃん｝て呼ばないんだよぅ］

｛へ？………ぁ……}

［抱っこしろ！］

｛…裕ちゃん………おいで…｝

目を赤くした裕ちゃんが
俺の肩口に顔を埋めて鼻をすする…

｛ねぇ……皆…ほんの少しタイミングがずれただけでさ…俺はね………どんなことがあっても…俺らはきっと上手く行くって思ってるよ？だって…ずっと皆でたくさんのこと乗り越えてきたじゃん………それに……ガヤさんとミツには……良いタイミングなのかもしれないし………}

［グズッ………俺……悪くない？］
｛うん！悪くない！｝
［………俊哉…。……ごめんね……］
｛ん？｝

［服に鼻水ついちった！だから！脱げ！］
｛ええ？！！！｝
無理矢理万歳させられて
{イタ！痛いって！！裕ちゃ……}
服から顔が…ポンッって出た瞬間に

チュ！………って？！

膨れっ面して
キスしてくるって……あのねぇ……(￣▽￣;)

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