SPARC

フォルム（n） ページ45

キョンの少し辛そうな
なのに…少し嬉しそうな複雑な表情は

ワッターの肩越しに
どうしようもなく幸せそうに見えたのは
俺だけかな？


そして
ゆっくりと
優しく包み込むような声で
言ったんだ……


《渉………言い訳なんて無いよ…お前を泣かせてるってこと以外にどんな事実があるんだ？……理由なんて関係無い………泣かせて……ごめん》

そう言って

抱き締める腕の力を
少しだけ強めたのがわかった……



健永が俺の腕にしがみいて
頬を寄せる
そして小さな声で呟いた……

〈ワッターだって…ホントはわかってるんだよ…キョンが…ミツに手ぇ出すはず無いって……でもとっても不安になるんだよ……相手がミツだから……俺たちが一番ミツの事…熱くて、男前で、いたずらっ子で、めちゃくちゃ可愛い人だって知ってるから……ねぇニカ……〉

【………うん。ごめんな……】



ふと後ろを伺うと
下唇を緩く噛むようにして
玉が宮田の手を
ギュッと握り締めていた……
宮田はその手を壊れ物扱うみたいに
優しく握り返してた

｛あの…さ。俺達帰るね……ミツも見つかったし……それにそれぞれ……話し合った方が良いでしょ？………さぁ…行こう？裕ちゃん………ニカも千さんも……｝

《………ごめんね……ありがと宮田。……太輔！そこ！上の部屋の鍵………ミツとちゃんと話してきな…時間かかっても良いから……ちゃんとね。》

ワッターを抱き締める手を緩めず
恭平が申し訳なさそうに
言う………

ガヤにダイニングテーブルの上に有る
無造作に置かれた鍵を顎で示した







取り敢えず
ミツが無事に見付かって
スッゴク安心した

ガヤが今までが嘘みたいに
ミツを包み込んでるのも

嬉しいな……

健永も嬉しそうに
視線で合図した……

心配なのは
ワッターだけど

キョンのあの顔を見たら
絶対大丈夫！！！って

思う！

〈俺も大丈夫だと思う…〉
何も言ってないのに
そう呟いた健永の笑顔は
宇宙一だ！




明日、仕事の集合時間は18時だ………





【じゃあ……また明日！！！】

5階の謎も
気になるけど
なんとなく
わかったような気もする

明日
ワッターに
聞いてみよう！

さて！退散退散！
馬に蹴られて死んじゃうのは
嫌だしね！

どうしようもなく……（k）→←天泣………（y）

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