SPARC

責任の所在（y） ページ37

突然扉が開いて
開口一番
玉が叫んだ


［何度掛けても……電源切ってるみたいで出てくれないんだ！少し探したら…ファンの子達が！っ！ゴホッ！］
｛みっくんが横付けされた車に乗せられてったけどダイジョーブかな？｝

真似？！！……ｷｼｮ…

［って！！！俺……その一寸前に……ミツのこと責めて……おもいっきり頬っぺたひっぱたいちゃった！！！どおしよう！！！］

玉！宮田に続けた？！！
つか！ミツ？！
知らない人の車に乗っちゃダメでしょ？！！


〔ちょっと！玉！ミツと連絡取れない…有り得ないから！どんなことあっても！チャンス逃したくないって……いつも電源入ってるのがミツだ！〕


［知ってる！！！だからヤバイんだって！！！あんなにフラフラなミツ！ラチろうと思えば簡単にラチれる！！！］


太輔が
今まで一度も見たことのない
白い顔をして
フラッと立ち上がって

『玉ぁ。顔殴ったのか？北山の？！責めて放置したのか？』
玉の胸ぐらを掴んでキリキリ締め上げた

その様子を
さっきまで太輔に甘えてた
千賀が凝視して
震え出す

ニカは
そんな千賀の指先をキュッと握った

〔太輔！！！そういう問題じゃないだろ！〕

言い切る前に

｛玉がひっぱたかなかったら！俺がしてた！！！それに最後に！千さん泣かしたら赦さないって……脅すみたいに暴言吐いたの！俺だから！！！｝

宮田が太輔と玉の間に飛び込んだ


【ごめん！全部俺が悪いんだ！健永傷つけた！玉や宮田にも心配かけた！ガヤにも暴力振るったしワッターにも迷惑かけて！ミツのこと……甘やかしといて……中途半端に……俺……健永のこと考えたらミツのこと…頭からスッポリ抜けちゃって……あんなに辛そうにしてたのに……あんなに寂しそうにしてたのに……】


涙をこらえて膝の上で
握り拳を更に握りしめて

絞るように叫ぶニカに

全員が
我に返ったように

深呼吸をして

各々
身体の力を抜くときの
仕草をして
目を閉じた……






千賀が
静かに
ニカに寄り添い
〈ねぇ……こんなときだけど…こんなときだから………聞いていい？…………俺のこと……好き？〉

ニカは勢い良く
千賀を振り仰ぐと
【宇宙一！誰よりも！！！】

えへへ……って笑うと
〈ごめんなさい！俺が高嗣を疑ったから！ヤキモチ妬いてミツのこと…信じなかったから！〉

土下座するみたいに頭を下げた

玉と宮田が
キュッと互いの手を握りしめて
舞台挨拶のラストみたいに
頭を下げて
［俺らもごめん！］
｛ごめんなさい！｝

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