SPARC

見失ったもの……（m） ページ31

無言でスタスタ歩いてく玉ちゃんの後ろを
ひょこひょこ
着いてくだけの俺に
我ながら
情けないな……
と思う。


どんな言葉をかけてあげたら
玉は喜ぶのかな……
大抵こういうとき
的外れなこと言って
機嫌損ねちゃうから


ひとりでグルグル考えすぎて
ひとりでアタフタしてる
それさえ……はーーーー。


急に腕を捕まれて
建物の影に引き込まれた

｛おわ？！た…玉ちゃん？｝

ギュッと抱き付かれて
耳にkissされた！

｛ほあぁ？！！！｝

［俊哉……俺……ミツにヒドイことした……］


うん……あんなに怒った裕ちゃん見たの何年ぶりだろ。

［俺……間違ったかも……あんなに泣いて……ニカに甘えるって…………さ…。ミツ……何かあったんだよな？……そう思わない？］

きっと
裕ちゃん泣きそうなんだ……
泣き顔見られるの嫌いだもんね……

見たいな……

肩をポンポン叩くと
抱きつく力を緩めるから
両肩を軽く押して
顔を覗き込んだ……


泣いてはいなかったけど……
水分が増して
いつも以上に潤んだ真剣な視線で

真っ直ぐ見つめ返され

ドキドキする




｛俺らさ、最近忙しすぎて、それに個々の活動も増えて……何か見落としてたのかもな……ミツって……いつもメンバー優先で…前に出るときって…皆が二の足踏むとき……ガツガツに見られがちだけど……そんなミツが一人で泣いてたら……俺でも抱き締めたくなるかも……｝

［……そこまで想像しなかったけど……ソレ…あり得る…気がする…………一人で泣いてたら…………俺も抱き締めて…話聞いたげる。］



｛ミツんとこ……戻る？｝


［うん。］









戻ったけれど

ミツの姿はもうなかった


スマホ鳴らしても

機械音のアナウンスが流れるだけで……
メッセージを残すように促されても

何も言えなくて


電話を切るを繰り返した

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