SPARC

素直に……（k） ページ19

「ニカ……」

【なに？】

「何でここにいるの？」

撮影は俺で最後で
他のメンバーは
それぞれのスケジュールで動いていて
だから
俺は一人残ってた楽屋で
ぐちゃぐちゃしてて……



【……ん〜…実は忘れ物…】

ニカが指差した先に
最近お気に入りだと言ってたキャップ………


【そしたら…もっとおっきな忘れ物がいた！】


「いたって……なんだよそれ！俺のこと？」
泣きすぎて
元々鼻にかかった声が
フニフニしてる…

ニカは俺を抱きめたまま
あどけない笑顔を全開にして
顔を覗き込むように
俺を見ている……

【いつも言ってるでしょ？健永も、玉も、皆……ミツのこと……大好きだって………だから……ミツ……心配することないよ…ガヤもミツのこと…大好きに決まってる】

「ニカ……」

また涙が溢れだして

もお。俺……ボロボロ……

ニカは全開の笑顔で

【大丈夫、俺もミツのこと…大好きだよ！】

「……うん…ありがと。…嬉しい。」

俺は
らしくないくらい
ニカに甘えて
もう一度
ニカの胸に顔を埋めて
素直にお礼を言った……

【ミツがこんなに可愛く甘えてくるなんて！恋の力ってすごいね！……レアだ！！！】

そう言って
ギュっともう一度抱き締めてくれた

そうして

これが藤ヶ谷だったらな……
なんて
ちょっぴり思った


【これが藤ヶ谷だったらな……】


「！！！え？！！！」

【……って。今思ったでしょ！】



何でわかったんだよ！！！
びっくりした！！


【何でわかったか知りたい？】



うんうん！！！って頷いたら


【それはね！ミツがちっせーから！】


「はぁあ？！」

いきなり
何ぶっこんでんだ？！


【健永より……ちっせーから……】


「……。そっか。そういうこと？」

【うん。そういうこと。ミツのこと大好き！！でも…アイツのことは宇宙一愛してんの！ゴメンね！ミツは二番目だ！】


「うわーーー！やんわりフラれてんじゃん？！
俺！！！二階堂の癖に生意気！！！」


ゲラゲラ笑ってた


俺と健永が違いすぎて
だからこそ健永が愛しい…ってことね！



なんか
何も変わってないのに

久し振りに
心のそこから笑ってた


【頼りないかもだけど…前にも言った通り、俺も健永もミツの味方だから……話相手くらい出来るから…辛いときは頼ってよ？約束だよ。】



頭……
ポンポンされた

【あ！また！ガヤだったらいいのにって思っただろ？！】

「バレた？！」

二人して顔を見合わせてから
ゲラゲラ笑った


ありがと。ニカ……

疑い……（s）→←告白……（k）

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