SPARC

悪趣味……(k) ページ16

綺麗な鼻筋が
スッキリとした綺麗な瞳が
スッと左にかしげていく


そのまま頬にチュ……とkissされた

「………………え？…………」

『クスッ…俺も北山が大好きだよ』

そう言うと
相変わらずのスマートな仕草で
背を向けて
行ってしまった……

神様？……どういう事でしょうか？
俺は
何をどうして良いのか……
全くわかりません……




【…………みつ？大丈夫？ボーッとして…………真っ赤だよ？指は？】

指？

上がった体温に
ぷくり……とふくらんだ血液が
傷口から手首へと
紅い線を描いた

【みつ！まだ血ぃ出てんじゃん！！！】

「え……？ぁ。ホントだ……」


大袈裟に騒ぐニカと
オロオロする健永が
フィルターを一枚
挟んだ向こう側の世界の様で


俺の意識は
キスされた頬から
一向に離れなくて……

ただ
胸がシュワシュワ……
シュワシュワ……

奥から競り上がってきて
苦しくて



痛い……




指先も痛むから

痛みの先を見れば

無意識にケガした手で
シャツの胸の辺りを
クシュッ握り締めてて
血が赤く染みていた




見兼ねた
横尾さんが
ニカ千を落ち着かせて

俺の方にゆっくり
近付いて来て

そっと胸を絞る手を包んで……
それを合図のように
緩んだ握りこぶしを
そっと開き

〔……みつ？そんな風にしたら傷口、いつまでも開いちゃうよ？おいで……服も。気に入ってりゅんでしょ？早くしないと血の染みは落ちなくなるから…脱ごうね？〕


あ……横尾さん……噛んだ……
って思ったものの
それもなんか……
頭の隅で
思っただけで

手を引かれて
ソファーに座らされて
手当てされて
シャツの脱がされて


結局
眠れないまま……


ふっ……と
藤ヶ谷を盗み見る

薄く笑って
親指で自分の唇をなぞると
チラッと舌をだして唇をなめた……

…！！！

俺をからかってる？！
ムカつく！

俺の気も知らないで！



〔みつ？……ほら、撮影までに血が止まるように静かにしてな？絆創膏貼るね……少しキツくするから……少ししたら剥がして様子見るんだぞ？〕

「あ！うん……ありがと……」

突然話し掛けられて我に返った……

藤ヶ谷
ホント悪趣味！！！

嫌いだ！！！

キライ！！！


きらい




……になれたらいいのに








……『…俺も北山が大好きだよ』……

頬が熱い……




なんで……
あんなことするんだよっ！


藤ヶ谷の言葉がリフレインして
慣れたはずの
シュワシュワが痛い……



からかってるの？
それとも……

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