【w.r.w.r.d!】どうやら愛されていたようです【終】

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you side




『…っ……』




フワリと香る珈琲の匂いに、重たい瞼が開く
暖かい布団、白い壁に白い天井


ズキズキする頭に、動くと痛い体
足に鋭い痛みを感じるけど





……私は、まだ


生きている





「…ん…？あ、起きた」
『……し、んぺい、神…さん』




体を起こして、辺りを見渡した

優しく微笑むしんぺい神さん、身に覚えのある部屋
それを見た途端戻ってこれたと安心して





…鬱さんは、どこだろうか


喉が痛いのは水分不足
頭の中は整理が出来てない
それでも足は動かせそうだ

ふと首を触ればいつものチョーカーは付いていなかった


それと同時に不安になる


捨てられてしまったのか
汚い人間だと、思われてしまったのか


今すぐ、会いたいと思ってしまう
考えより身体が動いてしまって




「あー、待って待って…飲み物持ってくるから…ってAちゃん！？」




ベットからゆっくり降りる
予想以上に足が痛むが、そんなことどうでも良くて


タイルの冷たさが足に伝わり、私はそれでも走った


何処にいるのかわからない
目から溢れる涙が止まらない
会いたい



会いたい




『……っ…鬱、さ』
「っ！？Aちゃん！？」





少し進んだところ、お風呂場から出てきた人に足を止めた



藍色の目
水に濡れているが綺麗な艶のある髪
私を見て驚いた顔をしている鬱さん




心臓が痛くなる




なんて言っていいかわからなくなってしまうのは、何故だろうか




フラついた足どりで彼に近づき、ようやく辿り着いた暖かい胸の中


いつもの煙草の匂いはしなくて
それでも落ち着いてしまう


抱きついた私を迎えてくれる


その存在は私の中で、いつの間にこんなにも大きくなっていた

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