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『弱く、なるな…』
「……?」




バチンと両手で頬を叩く
それに驚いた鬱さんが顔を上げ「え!?大丈夫!?」慌てて私に近づいてきた

大丈夫




まだ時間はある








『……鬱さん、お話しませんか?』
「へ…」



『また、あの日みたいに…後悔はしたくないから』








綺麗な藍色の目が、キラリと輝いた



エーミールさんから貰った紅茶
グルッペンさんからのチョコレート
オスマンさんの作ったクッキーを机に乗せ



心を落ち着かせる様に目を瞑った

懐かしく感じるあの1ヶ月
沢山言いたい事があった

それを言えなくて、後悔した




だから




『鬱さん、今日は私の話聞いてくれますか?』
「…うん」




窓から夕日が入り、部屋がオレンジ色に染る
いい香りの紅茶を一口飲んでから私はゆっくりと自分の話を彼にした


幼い頃から、色んな事があった
誰にも話せないと思っていた

でも、彼なら





こんな薄汚れた私でも、認めてくれると







『私、貴方に出会えて変われました』


『鬱さんのいない毎日は記憶が無いのに関わらず、心のどこかに穴があいていて凄く変な感じでした』


『…あの日、鬱さんが私に生きて欲しいって言ってくれたから、今日まで生きてこれたんです』


『……だから』









彼に言いたい事がたくさんあった




それを口に出せば、もう別れはすぐに来てしまうのに




これは最後のチャンス


私が彼に、全てを話せる最後の時間だ

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美雨 - 小説で久しぶりに泣きました。最高の作品でした。大好きです。 (7月26日 18時) (レス) id: c21832273f (このIDを非表示/違反報告)
はーな(プロフ) - 読み終わったあと感動で胸が締め付けられました。神作に出会えてよかったです!! (2022年9月2日 19時) (レス) @page27 id: e031897919 (このIDを非表示/違反報告)
- 泣けた。やばいですよもう。 (2022年8月14日 21時) (レス) @page27 id: 5511dd41f6 (このIDを非表示/違反報告)
ゆい - 感動してめちゃめちゃ泣いた.....しかもこの小説私の誕生日に作られてる、運命かな......... (2022年7月19日 21時) (レス) @page27 id: 4f57f42090 (このIDを非表示/違反報告)
あたり(プロフ) - 最近この界隈に戻ってきて転生と外せかのシリーズを読み返していたのですがこれは読んだことなかったなと気付き読み始めたら…感動しました……外せかはガチで泣きましたけどこの作品も相当良かった……なんで当時読まなかったのかが不思議です…ありがとうございました (2022年4月17日 12時) (レス) @page27 id: f83fcb16fe (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:はちまる | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年4月25日 8時

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