＊ ページ14
.
『ただいま〜…あれ、』
望の靴がある。
なのに目の前にはいない。
いつも彼が先に帰っている時は私が玄関を開けた瞬間に飛びついてくるというのに。
『…？』
少し待ってみても、音沙汰すらない。
なんだ、いつもちょっと楽しみにしてるのに。
寝てるのかな。
出来るだけ音を立てないように、ビニール袋も揺れないようにして進む。
ゆっくりとリビングに繋がるドアを開ける。
『あれ、』
すると、ソファの上には、いないと思ってた望の姿が。
『帰ってたんだ、静かだから寝室で寝てるのかと思った』
ソファで力無く座る望に話しかけながら、買い物の袋をダイニングテーブルに置いた。
「…」
疲れているのか、望からの反応はない。
どうしたんだろ、変なの。
とりあえず、買ってきたもの片付けなきゃ。
手を動かしながら話の続きをする。
『…そうそう、そういえばさっきね、スーパーで』
「なあ」
『ええ、ん？』
私の話を遮ることなんて珍しくて、変な声が出てしまう。
望の方を向いても、目線は斜め上を向いていて。
「その買い物ってさ、」
『うん、』
「俺らのご飯やんな」
『うん、そうだよ？』
「やったらなんで」
『…？』
「なんで…」
言葉を詰まらせた望の隣に座った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1369人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
赤紫の苺 - 初めまして！愛読させて頂いてます！応援してますので頑張って下さい！ (2019年2月17日 20時) (
レス) id: b62281fd5e (このIDを非表示/違反報告)
west - のんちゃんがツンデレになるのがみたいです (2019年2月17日 18時) (レス) id: 1809e8188a (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：なぽりたん
| 作成日時：2019年2月17日 15時
