工作員との仕事 ページ8
ゾムとグリムの二人は他国に潜入している
ゾム曰く、「実践したほうが早いで！」らしい
「ゾム様。今回の目的は？」
グリムは潜入の目的を知らないため、小声で聞く
「ん〜？特にあらへんよ？グリムの実力チェックのついでに敵国潰しとこって感じ」
ゾムは楽しそうに話す
グリムはその言葉に内心呆れるが、敵国を潰す目的が一応あるらしいので、どう動こうか考える
「よっしゃ。グリム行くで！」
ピョンと木から屋根の上に飛び乗り、ゾムはグリムに手招きをする
グリムは内心戸惑いながらも、屋根の上に飛び移る
「おぉ。さすがやなぁ」
そういってゾムはグリムの頭をわしゃわしゃとなでる
「ありがとうございます」
そういって適当にあしらうと、ゾムは「ひどいなぁ」と一言漏らした
さて、気を取り直して二人は屋根から建物の中を確認する
「わーアシガスベッター」
ドン！
ゾムがそういって屋根を破壊して、中の人に見つかった
(この人…)
グリムは一瞬キレそうだったがぐっと我慢してゾムの援護に行くことにした
「ゾム様大丈夫ですか？」
降りるときに邪魔だった人はグリムが鎌で排除した
「ひゅ〜さっすがぁ」
ぱちぱちと手を叩くゾムは笑っている
「わーいウレシイナー」
グリムは棒読みで嬉しそうな言葉を言う
なお、敵陣地でこんなコントのようなことをできるこの二人は、敵から見たら恐怖の対象でしかない
「よっし！グリム。命令や！」
ゾムはニコニコしながら言う
「ここを破壊する」
「了解」
グリムの言葉を合図に、二人は敵を殺していく
今まで動いていたものは肉の塊になって、あたりに鉄のにおいと赤色をまき散らしていく
二人は制御室と思われるところに行き、爆弾を仕掛ける
狙いは機械を巻き込んだ爆発
そうすることによって、被害拡大を図ることができる
「窓から飛び降りるで」
「え！？そんな無茶な」
グリムの叫びを無視して、ゾムは彼女の体を担ぐ
「じゃ〜んぷ！」
「うわぁぁぁぁぁ！？」
ゾムはグリムの叫ぶ様子を見ながら、にやにやと笑っている
少し経つと、爆発音が鳴り響く
「お〜めっちゃ燃えとるやん」
「はぁ…心臓に悪いですよ」
グリムは怖かったのかゾムの首に手をまわしている
「んふふ。可愛いところあるやん？」
ゾムはいたずらっ子のように笑う
「しょうがないじゃないですか！」
グリムは涙目で叫ぶ
口論は帰るまで続いた
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