解き放たれる？ ページ41
チーノは我々国の幹部となった
最初は反対しているメンバーもたくさん居たが、
コネシマとグリムがすごい勢いで頭を下げ、本人に同意書を書かせたので納得した
「まぁ、こんな事になるとは思っていませんでしたけどね！！」
少々怒りながらグリムは文句を垂れ流す
理由は至ってシンプルで分かりやすいが、納得はしにくいだろう
誰も、今まで敵だった人物が自分の腰に手を回して締め付けているとは考えないだろうから
「えぇやないっすかぁ。この中で一番付き合い長いやろ？」
「敵としてですけどね。そもそも私はあなたを許していません。
そこは変わらないのですよ？」
それにしては優しい声色でグリムはそう返した
そこを分かって行動しているチーノの性格はいざ知らず、
グリムは何度も行われるその行為に対して、さほど怒っていないようだった
グリムは、という部分は重要なのだが
「チーノ〜…俺はお前のこと許してないし何ならその行為に対しても許可をしてないんやけど？」
「別に、アンタに許可とる必要なくない？」
グルッペンが鋭く目を光らせれば、飄々とそれをかわす
ショッピ君のような濁らせ方と、そこにシャオロンの煽りスキルを足したような返しだった
つまり何が言いたいかというと、とてつもなくグルッペンはイラついた
「し、ね」
「一国の総統ともある人がこんな低レベルな煽りに乗っかるんですかぁ〜？
お先真っ暗ですね！あ、アンタの服と心はいつも黒やけど」
敬語というのは、煽るときに重宝する
相手を敬う気がない敬語というのは、変に丁寧な部分があるせいで余計に頭にくる
しかし、チーノの言う事にも一理あると思ったグルッペンは冷静になろうと深呼吸した
が、次のチーノの行動でそれは無意味なものとなってしまった
「ンッ！ちょ、何してるんですか！」
バッシィと盛大な音が鳴ったかと思えばそれは一瞬で、
チーノは右の頬を抑えて綺麗なモミジの形の痕を摩った
ビンタしたグリムはというと顔を真っ赤に染めている
カジュアルなスタイルな服は少々乱れており、チラリと除く肌には赤い痕が見えた
「お前！それはアカンやろ！！」
「はぁ？俺はグリムの呪縛を取り除いただけなんですけど。
何ならロボロにお願いして映像を見ろや」
グルッペンは急いでグリムの腕を引き、チーノから遠ざけるようにして廊下へと出ていった
ズンズンとムクれた顔で急いで出ていき、ロボロの居る部屋へと急いだ
どこか淡い期待を寄せながら
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